Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

タグ:為替

投機筋の為替ポジション(シカゴIMM通貨先物ポジション
<参考>
【最速更新】シカゴ投機筋IMMポジション推移【FXに活かす】

円/ドル
グラフは3月2日(火)まで。この後、週末には108円台半ばまで円安が進んだ。
たぶん、投機筋のポジションも円ショートのほうに進んでいるはず。
20210308f

ヘッジファンドなどの大口投機筋(Non-Commercial)より動きが早い、小口の投機筋(Nonreportable Positions)の動きはさらに円安の109円台半ば程度を見ているようだ。
20210308g

米国10年金利との連動性が高まっているので、米国10年金利の動向が注目される。
20210308h
インフレ懸念がさらに高まっていくと思われ*、金利にも上昇圧力がかかる。
さらに円安に進む可能性が高い。

(*)
(1)ベース効果
(2)1.9兆ドルの経済対策が物価と金利に上昇圧力を与える(景気刺激、国債増発懸念が要因)
新型コロナ: 米上院、200兆円経済対策を可決 来週の成立目指す: 日本経済新聞
新型コロナ: 米、月内に1人15万円を追加給付 上院が200兆円対策可決 : 日本経済新聞
米上院、1.9兆ドル経済対策法案を可決 苦境の中小企業や世帯「救済」 | 毎日新聞
米上院、1.9兆ドルのコロナ追加対策法案を可決 共和党支持せず | ロイター


円/ドル先物の投機筋のポジションを、ロング・ショート別に見れば、ここからさらに円ショートが積みあがっていく可能性が高い。
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なお、日米金利動向は前回のブログ参照。



投機筋の為替ポジション(シカゴIMM通貨先物ポジション
<参考>
【最速更新】シカゴ投機筋IMMポジション推移【FXに活かす】

ユーロ/ドル
投機筋のネットポジションは、ややユーロ安方向に向いている。
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相場をリードするショートポジションだけを見れば、ユーロ安方向に向いていることは明瞭だ。
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上記のグラフに見るように、方向はユーロ安だが、水準的には強いユーロ安を示唆していない。

ところで、為替相場に影響を与える要因としては金利差や、国際収支(貿易収支、経常収支、基礎的収支)などがあるが、金利に動きが出てくれば、やはり金利差の影響が大きい。実需より資本収支の方が短期的に相場に与える影響は大きい。

その金利差は、ユーロ安を支持している。
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ドルの金利上昇が、独の金利上昇より速い。
円の金利上昇は弱いどころか、止まってしまった。
債券12時50分 長期金利、急低下 一時0.10%、日銀総裁発言で買い: 日本経済新聞
長期金利の変動幅拡大、必要とは考えず 低位安定が重要=日銀総裁 | ロイター
日銀 黒田総裁の国会発言受け長期金利が急速に低下 | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース
日銀総裁、長期金利変動幅「拡大は考えてない」-相場反転誘う - Bloomberg
20210308d


もう一度、投機筋の為替ポジションに戻るが、ロング・ショート別に長期で見れば、ショートの積み上げが始まってもおかしくない。
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今は(短期的には)ユーロ米金利差要因の方が大きいと思うが、ユーロ圏の経常収支動向にも注意する必要があるとは思う。念のため。
Chart 1 Euro area current account balance


投機筋の為替ポジション(シカゴIMM通貨先物ポジション
<参考>
【最速更新】シカゴ投機筋IMMポジション推移【FXに活かす】

ユーロ/ドル
投機筋のネットポジションは、ややユーロ安方向に向いている。
相場をリードするショートポジションだけを見れば、明瞭だ。但し、水準的には強くはない。
(ロングポジションよりショートポジションの方が相場に反映しやすい)
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20210228n


円/ドル
相場が円安(ドル高)に進んで投機筋のポジションに追いついた。
投機筋のポジションは、依然円安(ドル高)方向に向かっているようだ。
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ヘッジファンドなどの大口投機筋(Non-Commercial)より動きが早い、小口の投機筋(Nonreportable Positions)の動きはさらに円安の108円程度を見ているようだ。
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なお、当たり前だが、相場を投機筋のポジションで予想できるわけがない。
にわかに動意づいてきた米国金利や国際収支にも注意だ。コモディティーの動きにも注意。

今日、中国国家統計局から2月のPMIが発表された。
中国製造業PMI、2月は9カ月ぶり低水準-サービス業も低迷 - Bloomberg

50.6と、前月から0.7下がった。低下は3カ月連続で、昨年5月以来の低い水準。高騰していたコモディティー価格は下落、資源国通貨は低下となりそうだが、「春節が昨年の1月下旬から今年は2月中旬にずれ、製造業の活動が低下する時期に当たった」一時的特殊要因との見方もある。

考えることは多い。

これまで何度か書いてきたように、為替相場の決定要因は、貿易収支、経常収支、基礎収支になってきている

といっても、これまで貿易収支が為替相場に無関係だったわけではない。基本的な流れは、やはり教科書的に貿易収支の影響が大きかった。但し、短期的には金利差など資本を動かす要因の方が大きかったということである。
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しかし、今は日本の対外収支は所得収支や直接投資の影響が大きくなっている。つまり、基礎収支(貿易収支+所得収支+直接投資収支など)の影響が大きくなっている。(但し、内外金利差の影響があれば、短期的にはその要因の方が大きい。)
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2番目のグラフをベースに、今後原油価格に大きな動きがない、日本の対外直接投資が減少気味になるということを想定して、為替相場を予想すると、今後徐々に円高に進み、来年6月には100円を割り、来年末は95円ということになる。
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なお、何度も言うが、来年1年間の間に、予想もしていないことが起きる可能性は高い。


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(ちょっと前に作ったグラフで、最後は12月3日)


10本も線があるので見にくいが、要は、Covid19感染拡大で米がゼロ金利をとるまでドル高傾向、以後はドル安。ユーロは強かった。

4月以降で見ると、南アランドやメキシコペソも強い。
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豪ドルもニュージーランドドルも強い。
豪ドルは商品価格高とともに。ニュージーランドドルは新型コロナ感染拡大がなかったことが評価されたのかもしれない。
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そういえば、豪ドルの動きは米株と同じだ。
FXで豪ドルを保有していた人は米株相場に乗った気持だったかも。
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