Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

タグ:消費者物価

米国4月消費者物価 予想をはるかに超えた上昇率。これを市場はどのように消化するのか?あまりに予想外で、思考停止。エコノミストの詳細な分析が必要。
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今週月曜日、突然、今日のCPI発表データを懸念して株価が急落したこと・・・どこかで情報が漏れていたかも?
イエレン財務長官は5月3日収録されたアトランティック誌とのインタビューで、「米経済が過熱しないよう確実を期するには、金利はやや上昇せざるを得ないかもしれない」と発言。ひょっとして、今回のデータについて多少の情報は持っていた可能性もあろう。

いくら考えても、インフレは一時的ですまない可能性もあるような気がしてきた。

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注目の消費者物価上昇率が発表された。
(本当の注目は4月のコア個人消費支出価格前年同期比上昇率だが)
2月の食料とエネルギーを除いたコア消費者物価(CPI)前月比上昇率は0.10%と過去の平均的な水準よりもかなり低い、前年同月比も1.28%と全く低い。
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これと、1.9兆ドルの追加経済対策法案を下院が可決し早期成立の目処が立ったことからNYダウは大きく上げた。
但し、インフレ懸念が払しょくされたわけではないこと、投資家の銘柄入れ替え(成長株から割安株へ)が行われていることからNasdaqは下げた。
(注)年金などは、一たび方針を決めたら、簡単には方針を変更しない。


今回の2月の消費者物価上昇率だが、エネルギーを除くと、かなりの項目で伸びが低い。
Consumer Price Index for February 2021

企業の仕入れコストの上昇、需要の増加から考えて、奇妙だ。
イエレン財務長官は、一時的にもインフレは起きない(コアで2%超?)ようなことを言っている。
引き続き要注意。
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参考
米国 インフレ懸念高まる
米国 物価について 現況(3)

それぞれの物価の動きを比較してみる。

(1)個人消費支出(PCE)物価指数とコア個人消費支出(PCE)物価指数
The PCE Price Index
The PCE Price Index Excluding Food and Energy, also known as the core PCE price index

当然ながらPCE物価指数の方が振れは激しい。BEA(Bureau of Economic Analysis、アメリカ合衆国経済分析局)も、インフレの傾向を見るにはコアPCE物価指数の方がよいと言っている。
The core index makes it easier to see the underlying inflation trend
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(2)コア個人消費支出(PCE)物価指数とコア消費者物価指数(CPI)
参照 PCE and CPI Inflation: What’s the Difference? Federal Reserve Bank of Cleveland

In the United States, there are two primary measures of the prices paid by consumers for goods and services. One is the Consumer Price Index (CPI), which is produced by the Bureau of Labor Statistics (BLS); the other is the Personal Consumption Expenditures (PCE) price index, prepared by the Bureau of Economic Analysis (BEA).

The CPI probably gets more press, in that it is used to adjust social security payments and is also the reference rate for some financial contracts, such as Treasury Inflation Protected Securities (TIPS) and inflation swaps. The Federal Reserve, however, states its goal for inflation in terms of the PCE.

weightsについて、住宅はCPIでは40%程度であるが、PCEでは15%程度である。

いずれにしろ、コア個人消費支出(PCE)物価指数はコア消費者物価指数(CPI)より低くなる傾向がある。
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(3)個人消費支出(PCE)物価指数と消費者物価指数(CPI)
実は、コアでない指数ではグラフで見ると、両者の動きは殆ど同じに見えてしまう。それだけエネルギー(要は原油)の価格の動きが激しいということだ。
結局、金融政策を決める判断材料として「インフレの傾向を見るにはコアPCE物価指数」が最適だということだ。
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なお、上記にもあるが、CPI総合は最低賃金の水準や年金額の調整に使われたり、物価連動債(インフレリンク債)の元本調整に利用されたりすること、また発表が早いため、注目度はこちらの方が高い。

(3)へ続く







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