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タグ:基礎収支

これまで何度か書いてきたように、為替相場の決定要因は、貿易収支、経常収支、基礎収支になってきている

といっても、これまで貿易収支が為替相場に無関係だったわけではない。基本的な流れは、やはり教科書的に貿易収支の影響が大きかった。但し、短期的には金利差など資本を動かす要因の方が大きかったということである。
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しかし、今は日本の対外収支は所得収支や直接投資の影響が大きくなっている。つまり、基礎収支(貿易収支+所得収支+直接投資収支など)の影響が大きくなっている。(但し、内外金利差の影響があれば、短期的にはその要因の方が大きい。)
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2番目のグラフをベースに、今後原油価格に大きな動きがない、日本の対外直接投資が減少気味になるということを想定して、為替相場を予想すると、今後徐々に円高に進み、来年6月には100円を割り、来年末は95円ということになる。
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なお、何度も言うが、来年1年間の間に、予想もしていないことが起きる可能性は高い。


今更ながらであるが、為替相場の展開は3月にFedがゼロ金利政策をとってから変わった。
金利差が為替相場に与える影響はなくなった。

となれば、為替相場は、貿易収支、経常収支、それに基礎収支(経常収支+直接投資収支)で決まる。(断定的に書いているが、もちろん、そういう傾向があるという程度のことだ)
なので、為替相場を見るうえで、こうした指標が重要になる。

ユーロの堅調が続いているが、
まず、貿易収支
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次に経常収支
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見るポイントは、黒字かどうか、トレンドはどうか、ということである。
トレンドは何とも言い難いが、とにかく貿易収支も経常収支も明確に黒字だ。

非季節調整値の12か月平均で見ると、わかりづらくなる。
なぜなら、Covid19ショックの時、一時的に貿易収支が大きく悪化したからだ。
その影響が12か月間残る。
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実は、注目しているのは基礎収支(経常収支+直接投資収支)だ。基礎収支という概念はあまり聞かない。一時、日本ではやったが、まずはお目にかからない。『基礎収支 経常収支』で検索してもほとんど出てこない(10年以上前なら、それなりにヒットしたはず)。
それでも、為替の需給を捉えるには重要だと思う。

直接投資は季節調整値が発表されていないので、原数値の12カ月平均で見る。
びっくり。ユーロ圏からの対外直接投資は回収気味で、海外からユーロ圏への直接投資が増えているので、直接投資収支のユーロ圏への資金流入が増えている。
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ユーロ・米金利差の影響力が低下すれば、ユーロが強くなるわけだ。

ちな、日本の基礎収支は
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これでは、そうそう円高に進まない。





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