Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

タグ:住宅バブル

米国で住宅価格が急騰している。2月は前年比で19.8%の上昇だった。
2000年代半ばの住宅バブル期並み、あるいはそれ以上の高騰率だ。
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その結果、可処分所得に対する比率も同バブル期並みになっている。
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(注)新型コロナウイルスの救済プログラムによる社会給付(1人当たり600ドル支給、失業給付の上乗せなど)があり、一時的に所得が増えているところがある。今はない。

スワ大変か? というと、市場でも、そこまで気にされていないのは、「家計の可処分所得に対する負債の割合」に懸念がないからだ。住宅バブルの時は、ホームエクイティーローン*で住宅価格が上昇すればそれに伴い借り入れを増やしていたが、今回はそのようなことはないようだ。要は、家計は健全だということだ。

*日本では、住宅ローンというと、住宅を購入するために借りる資金のことだが、米国では、住宅を担保に借りる資金のことで使途は自由。住宅価格が上昇すれば、担保価値が上がりそれだけ追加借り入れできる。
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家計の可処分所得に対する返済金額の比率は十分低い。
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(注)債務返済比率(DSR:Debt Service Ratio)
家計の可処分所得に対する住宅ローンと消費者金融への合計返済額の比率
債務返済(元本返済+金利支払)負担の対可処分所得比率

金融債務比率(FOR:Financial Obligations Ratio)
住宅および消費者ローンの元利払いに、①自動車リース料金、②借家賃貸料、③持ち家に付随する保険(火災保険など)、④財産税(プロパティー・タックス)、を加えた支払い額合計の対可処分所得比率であり、より広義の債務負担を示す。

今回は、何のバブルかというと、株価というpriceバブルだ。
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Fedの三つ目の目標は、住宅バブルを起こさないことである。
長期間金融緩和を持続すると、資産インフレの可能性が高まる。
プラザ合意の後、まさに日本がそれで失敗し、不動産バウルを起こし、バブルが崩壊した後は、デフレが起き、失われた20年に突入した。

雇用の拡大に夢中になり、多少のインフレを容認している間に、住宅バブルが起きては困る。
今、その兆しが見える。下のグラフ参照
ここは、金融緩和は続けるが、長期金利上昇⇒住宅ローン金利上昇⇒住宅価格抑制 は必要と考えているかもしれない。
ならば、この長期金利上昇は、金融緩和を長く維持させることにつながるのではないか。やっぱり、株式市場の上昇トレンドは崩れていないと思える。

可処分所得の伸びに比べ、住宅価格の上昇が加速し始めている。
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ところどころ可処分所得が凸になっているが、直近の凸は新型コロナウイルスの経済対策として国民1人あたり1200ドルの現金給付がなされたことを反映している、その他の凸はマイクロソフトの配当だったと思う。1社の配当がマクロ統計に明瞭に出るくらい凄いものだったということだ。

名目GDPに比べても、住宅価格の上昇が加速し始めている。
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まだ、住宅バブルの状態にほど遠いが、そうなってからでは遅い。
物価の上昇は一時的で収まるかもしれないが、住宅価格は、金融緩和を維持したままで、放置すれば住宅バブルになるリスクがある。


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