Kecofinの投資情報

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タグ:ビットコイン

なぜなら、法定通貨に対する理論価値が出せないからである。

全ての金融資産の価値は基本的にDCF法がベースになる。
(株の場合)配当割引モデルや(不動産の場合)収益還元法ともいわれる。

要は、金融資産の理論価値は、その資産が将来生み出すキャッシュ・フローの現在価値となる。
銅のようなコモディティーの場合は、将来生み出すキャッシュ・フローがないが、経済的価値(電線に使ったりする)があり、価格は需給で決まる。理論価値の算出は難しいが、需要は経済成長でおおまかに把握できる。
金は特殊。希少で、均質性を持ち、自由に分割できて、変質せず、耐久性がある(鉄のようにさびたりしない)という性質があり、こうした特長を持つものは他にほとんど存在せず、それが故に通貨的価値を有するからだ。これ以上は省略。

では、ビットコイン固有の価値はなにか? 投機の対象くらいしか特に思いつかない。
それでも送金手段に使われるし、金利もつくように整備されてきてはいる。問題はまだまだ安定的な固有の特徴が見えないことだ。

結論である。
仮想通貨には本源的価値がないが、ないがゆえに自由に価格が付いている。
つまり、価格が高すぎる・安すぎるという基準がない。
また、相続性も怪しい。ビットコインの保有者が死んだとき、相続人はそれを手に入れられるのだろうか?
そういうものを、遊び以外で保有する意味がわからない。少なくとも私には。

最後に、ビットコインを否定はしない。徐々に整備されてきているようであり、とにかく、一般的になってきている。まだ続いているのは何らかの価値があるのだろう。そうでなければ、これだけ監視がなされている中では、不良なものであればとっくに消えているはずだ。ただ、その価値が麻薬的なものでないことを祈る。





2017年の投機的な上昇とは違う。
今は、通貨としてかなり整備されてきた。金利もつくようになり、しかもかなり金利は高いようだ。
参照 BlockFi|仮想通貨をレンディングして高金利を受け取ろう|

今年春からの上昇は、米国がゼロ金利になったことを受けたものだ。
(ユーロなどに対し遅れてきた金利低下)
つまり、株高や南アランドのような新興国通貨高と根は同じだ。
当初は金もドル金利(実質金利)低下を受けて上昇したが、長期金利低下が反騰すると、金価格の上昇は続かなかった。金に金利が付かないからだ。

しかし、高金利通貨や、収益を稼いでくれ・配当もある株は買われた。高利回り債も堅調だ。

今年の相場のテーマの一つは、ドル金利がゼロまで低下ということだ。
しかも、FRBなど中銀が国債などを買い入れるものだから、その資金があふれてくる。
みんなお金の持っていく先に困っている。本当に困っていると思う。

日本人は投資で稼ぐという意識が比較的低いので、それほど切実ではないかもしれないが、
それでも、投資で商売をしている年金や生保などは本当に困っている。

今回のビットコインの価格上昇は、通貨とし整備されてきて、金利もつくようになってきたことだと思う。
20201120p
20201120q






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