Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

タグ:ドル安

勿論、不測の事態はわからない。ホンネも何もない。
しかし、不測でなくても、不安材料はある。

コロナパンデミックについては、感染拡大初期には大きなショックを与えたが、そのため財政金融緩和がなされ、以降は特に相場の流れを変えるようなことはなかった。なので、今後もコロナパンデミックの相場に与える影響は特に考えていない。
しかし、このところ、世界的に感染者数が急増しているほか、英国で新型コロナウイルスの変異種が見つかって、再度ロックダウンがなされるなど、一筋縄ではいかない。「東京五輪中止ショック」もありえるだろう。

もう一つのリスクは、
ベースの米国株価について、
(1)PERが異常に高い。金融緩和によって支えられているが、金融緩和姿勢に疑問が出たら、大幅な調整があり得る。
(2)金融緩和については、FRBは「雇用と物価に一段と顕著な進展が見られるようになるまで継続する」と表明している。逆に言えば、「物価に顕著な進展が見られたら、金融緩和姿勢を変えるかもしれない」ということだ。
(3)その物価については、大いに懸念がある。
(A)商品価格高がコストプッシュを起こすのではないか?
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(B)原油価格高 このままWTIが47ドルで推移すれば、前年同期比上昇率は大変なことになる。昨年4月にはマイナスなんてこともあった。一時的な現象とはいえ、物価にどう反映するか?なお、コア物価には特に影響はないだろう。
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(C)ドル安 一番懸念しているのはドル安の影響である。昨年ゼロ金利・量的緩和後、一貫して下落している。ドル安による輸入インフレがないか?
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既に期待インフレ率は上昇し始めている。10年期待インフレ率は1.97%になっている。
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以上から、米国株式相場、日本を含む世界の株式相場は、これから、来年前半は調整が続くかもしれない。これがホンネである。
また、インフレから米国金利上昇となれば、来年後半はドル高もあり得よう。




3月のゼロ金利から、為替相場の決定要因は金利差(金融政策)から実需(貿易収支、経常収支、基礎収支=経常収支+直接投資収支)に変わってきている。

米国の国際収支ベースで、
<貿易収支>
個人消費が大きく持ち直す一方、生産の回復は緩慢で輸入の増加が輸出の増加を上回った。
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<経常収支>
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<基礎収支=経常収支+直接投資収支>
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結局、4月以降のドル安の背景は、
①ゼロ金利政策で金融政策が為替相場の決定要因ではなくなったこと。
②個人消費が大きく持ち直す一方、生産の回復は緩慢で輸入の増加が輸出の増加を上回ったことで、実需がドル売り圧力を高めたこと。

バイデン大統領になって、米国の貿易収支どうなるか興味がある。
多国籍企業のコンセプトは「設計は米国内で、高品質・廉価の部品を世界中から集め、最も安く組み立てられるところで組み立て、最も税率が低いところに利益をプールする」 。これを変えるのは難しい。しかし、貿易収支が改善しないと、米国内の企業収益は伸びない。

結局、トランプ大統領は米国の貿易赤字を大きく改善することはできなかった。
サプライチェーンを変更するのは難しい。企業にその気がない。
対中純輸出は改善したが、その分、対ベトナム純輸出が悪化した。
対欧州も、対独は少し改善したものの、対アイルランドや対スイスは悪化している。

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バイデン大統領になって、欧州への関税が低くなれば、対欧州貿易赤字はさらに拡大するかもしれない。ユーロ安にかけるのは、少し考えたい。


追記 2020年11月4日13:00
賭け屋のオッズは、急変。トランプ勝利を69%の確率と見ている。びっくり。
トランプ https://odds.watch/trump-2020
バイデン https://odds.watch/joe-biden-2020
相場は、多少ドル高、金利反落。金価格下落。

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株価は上昇、ドル安、金利は横ばい(現金融政策を反映)、期待インフレ率には大きな変化はない。ドル安を反映して金価格は堅調。

市場はバイデン氏の明確な勝利(争われない結果)、上院も民主党がおさえると確信し始めたようだ。
それは、政策はどうであれ、市場に安心感を与え、株価の上昇につながっている。

通貨市場では、バイデン氏が財政刺激、自由貿易(トランプ氏は関税を利用した保護貿易)政策をとり、貿易赤字拡大→ドル安と読んでいるようだ。そして、バイデン氏は、ドル安は米国の貿易競争力を高めると考えていると市場は思っているようだ。

しかし、市場は、この後、
(1)法人税率などの引上げ。
(2)ヨーロッパでは厳しい封鎖制限が導入され、経済に打撃を与えそうなこと。
をどう考えるかということに直面するだろう。

私の相場の予想はパス。

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