Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

タグ:ドル円

原油価格が反落すると、円高に振れる傾向がある。原油価格下落⇒日本の貿易収支改善⇒円高 という思惑からだ。経験的に、brentが60ドルを割ってくれば、円高が一時的でなくなるかもしれない。
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原油価格反落
・石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が先週、協調減産を5月から段階的に縮小することで合意したのを受けている。
U.S. Oil Dips Below $60 On Renewed Demand Concerns | OilPrice.com
・イランの生産拡大も圧迫材料。米経済が力強く回復し、今年の原油需要が増加するとの期待を相殺する形になっている。
イラン政府は米国がイランに対して発動している制裁措置について全面解除を求めているが、制裁にもかかわらず、すでに中国への輸出を拡大している。
・2015年の核合意の枠組み復活に向け、米国とイランが6日にウィーンで行う間接協議も注目される。
Oil Extends Loss Ahead of Talks to Possibly Revive Nuclear Deal
20210406a


雑感
(1)今朝テレビを見ていたら、「Aで始まり、Cで終わる、素材の会社」、それだけを繰り返すCMを見た。何のためのコマーシャルなんだろう?
(2)その番組で「ニプロは、1つの容器から6回接種できる注射器の増産を厚労省から要請されていて、タイにある工場は準備に追われている」とのこと。日本の会社が日本国民が使う製品をタイで作っている。日本の会社とタイの従業員が潤うということだ。日本人がこの恩恵にあずかりたければ、会社の利益の分配を受けられるその会社の役員になるか、株主になるしかない。これが日本の株高の背景の一つだ。


そんなことはどうでもよくて、以下チャートだけ。

2019年4月~2019年7月 4カ月
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2019年8月~2019年12月 5カ月
20210217b

2020年1月半ば~2020年2月 1か月半ほど
小刻みな連動

2020年3月~2020年8月 6カ月
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2020年9月~2020年12月 4カ月


2021年1月~
新しい連動が始まったか?
20210217d

参照 円/ドル 投機筋のポジション

円/ドル先物について、実需投資家(Commercial)、大口投機家(Non-Commercial)、非報告(Nonreportable Positions)のポジションが公表される。
通常は投機筋(大口投機家)のポジションが注目されるが、実はもっと小回りが利くのが非報告部門(報告義務がない小口投機筋、大部分は個人だろう)だ。非報告部門ポジションは投機筋(大口投機家)ポジションにやや先行する傾向がある。

その非報告部門の円ロングポジションが取り崩された。もはや円に強気ではないということだ。
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ドル/円と非報告部門のポジションの相関をみると、小口投機筋は1ドル=108円弱程度を見ているようだ。私は、円高トレンド下のテクニカルな円安と今の相場を見ているが、うかつに円買いはできないなぁと感じた。
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なお、ドル/円と投機筋(大口投機家)のポジションは、
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CFTC(米先物取引委員会)は、各取引所に商品別に先物の投資家部門別の建て玉の公表を義務付けている。
現地時間で毎週火曜日の取引終了後に報告されたポジションが、週末金曜日の取引終了後に発表される。

投資家部門の区分は、旧タイプ(Legacy Reports)と新タイプがある。
旧は、実需投資家(Commercial)、大口投機家(Non-Commercial)、非報告(Nonreportable Positions)に分けている。
新は、仲介業者(Dealer)、機関投資家( Asset Manager=年金・保険・投信)、ヘッジファンド(Leveraged Funds)、その他、非報告の5部門。

市場で注目されるのは、昔からあったLegacy Reportsの大口投機家(Non-Commercial)の建玉である。
最近では、新フォーマットのヘッジファンド(Leveraged Funds)の建玉が注目される。但し、これは旧フォーマトの大口投機家(Non-Commercial)に近いので、傾向を見るなら、どちらも似たようなものである。

データは、次にある。Commitments of Traders | CFTC
Historical dataは、Historical Compressed | CFTC
見方は、書き出すと長くなるので、省略するが、次が参考になる。
CFTC投機筋のポジション | ブライト・アセット

さて、円/ドルの状況を見てみると・・・
その前に、為替市場の通貨ペアはドル/円である。つまり、ドルを何円で取引するかということである。一方、通貨先物市場では、円/ドルである。円を何セント(または、100円を何ドル)で取引するかということである。なお、先物の取引単位は、1枚=12,500ドルである。わかりにくいが、通貨先物取引をするわけでなければ、特に気にする必要はないだろう。建玉動向だけを見ていればよい。

やっと、本題。
投機筋のネットポジションは、今の為替レートよりややドル高を見ているようだが、
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これには裏がある。投機筋のポジションを円ロングと円ショートで分けてみると。
円ショートが(物理的にこれ以上低下することのない)ほぼ下限まで低下しているのである。
ネット円ロング=円ロングー円ショートで、円ショートが低下しなければ、ネット円ロングは拡大しにくい(注*)。つまり、実態より投機筋のポジションはドル高に傾いているかもしれないということである。
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今後については、円ショートは拡大方向にしか余地はない。(円ショートの拡大⇒ドル高)
今の円ロングポジションは過去の平均よりやや高い。平均回帰するなら、円ロングは縮小しやすい。(円ロングの縮小⇒ドル高)
勿論、円ロングがさらに拡大する可能性も十分あるが、投機筋のポジションはドル高に向かいやすい状態にあると言える。

私の結論は、「世界同時ゼロ金利(キャリートレードがない)時代には、為替相場のトレンドは国際収支(貿易収支、経常収支、基礎収支)で決まる。その中で、投機筋が小さな動きを作る。」ということである。国際収支の発表は遅く、予想も難しいが、ドル円は、基礎収支に沿って円高方向(年末100円程度)、その中で、時折ドル高になるということである。

(注*)
赤線(円ショート)が低下しなければ、青線(ネット円)は拡大しにくい。
青線(ネット円)が(実態を反映せずに)拡大していない=円高方ににシフトしていない=ドル高方向に傾いている ということだ。
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これまで何度か書いてきたように、為替相場の決定要因は、貿易収支、経常収支、基礎収支になってきている

といっても、これまで貿易収支が為替相場に無関係だったわけではない。基本的な流れは、やはり教科書的に貿易収支の影響が大きかった。但し、短期的には金利差など資本を動かす要因の方が大きかったということである。
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しかし、今は日本の対外収支は所得収支や直接投資の影響が大きくなっている。つまり、基礎収支(貿易収支+所得収支+直接投資収支など)の影響が大きくなっている。(但し、内外金利差の影響があれば、短期的にはその要因の方が大きい。)
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2番目のグラフをベースに、今後原油価格に大きな動きがない、日本の対外直接投資が減少気味になるということを想定して、為替相場を予想すると、今後徐々に円高に進み、来年6月には100円を割り、来年末は95円ということになる。
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なお、何度も言うが、来年1年間の間に、予想もしていないことが起きる可能性は高い。


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