Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

タグ:ドル円

今さら、どうでもいい話だが、参考までに。

円の購買力平価
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基準時点は1979年6月、
物価は両方とも資本財物価指数。
米国 PPI/Final Demand/Private Capital Equipment (1982=100, Not Seasonally Adjusted)
日本 企業物価指数/需要段階別・用途別/国内需要/最終財/資本財 (2015=100)

実質円/ドル為替レートは
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実質為替レートとは通貨の交換レートではなく、名目為替レート÷理論為替レート×100
円のドルに対する実質的な強さは落ちに落ちている。


円の実質実効為替レートの話が時々出る。
一般的には、実質実効為替レートは次のように説明されることが多い。
円の実質実効為替レート:円と主要な他通貨間のそれぞれの為替レート(名目為替レート)を、当該相手国・地域の物価指数と日本の物価指数との比を乗じて実質化(実質為替レート)した上で、それぞれの実質為替レートを貿易ウェートで加重平均し、基準時点を決めて指数化する形で算出したもの。

別の言い方をすると、
円の実質実効為替レートは、主要な貿易相手国の通貨の円為替レートを購買力平価から計算されるそれぞれの理論価格で割ったもの(実質為替レート)を、貿易額で加重平均し、基準時点を100として指数化したもの。

要は、円の実質実効為替レートは複数通貨に対する円の実質的な強さを表したものであるが、上図では、複数通貨に対してではなく、ドルに対する実質的な強さを示している。






相場関連は別Blog(Kecofin - GogoJungle)に書いているが、今回は、こちらに転載。

ドル/円市場において、投機筋のポジションに異変が起きている。

投機筋のネット(=円買いー円売り)ポジションとドル円相場の動きが乖離している。
投機筋は円ショートだったのを巻き戻し(円買いし)ている。しかし、相場は円高に動いていない。
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次のグラフの直近のところ、円ショートが急減している。円ロングを増やしているわけではない。
長期的に見て、投機筋のショートポジションの上限は14万枚から16万枚程度なのかもしれない。それ以上は、資金的にポジションを取れないのかもしれない。
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それはそうとして、最初のグラフを長期的に見ると、投機筋のポジションが相場についていけなくなっている可能性があるように思う。
つまり、ドル円相場が114円を超えてはるかに高い水準になる可能性があるということだ。
ドル円相場と5年金利の相関から、5年金利が今後FFレートの上昇とともに、1.7%程度まで上昇するようであれば、ドル円は120円程度までドル高・円安になるかもしれない。
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(1)政策金利(FFレート)はどうなるか? どういうタイミングで、どこまで利上げが行われるか?
(2)利上げとともに、5年金利はどういう展開になるか?
(3)ドル円相場と5年金利の連動はどこまで続くか?

そういう考察が必要になるが、2022年は、
(1)米国インフレはどうなるか?
(2)株価のバリュエーションの修正は起きるか?
(3)インフレが沈静化するには、リセッションが必要になるか?
(4)ドル円相場は強いドル高か? 物価差を反映して円高に行くか?
などなど、大波乱の予感がする。
















原油価格が反落すると、円高に振れる傾向がある。原油価格下落⇒日本の貿易収支改善⇒円高 という思惑からだ。経験的に、brentが60ドルを割ってくれば、円高が一時的でなくなるかもしれない。
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原油価格反落
・石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が先週、協調減産を5月から段階的に縮小することで合意したのを受けている。
U.S. Oil Dips Below $60 On Renewed Demand Concerns | OilPrice.com
・イランの生産拡大も圧迫材料。米経済が力強く回復し、今年の原油需要が増加するとの期待を相殺する形になっている。
イラン政府は米国がイランに対して発動している制裁措置について全面解除を求めているが、制裁にもかかわらず、すでに中国への輸出を拡大している。
・2015年の核合意の枠組み復活に向け、米国とイランが6日にウィーンで行う間接協議も注目される。
Oil Extends Loss Ahead of Talks to Possibly Revive Nuclear Deal
20210406a


雑感
(1)今朝テレビを見ていたら、「Aで始まり、Cで終わる、素材の会社」、それだけを繰り返すCMを見た。何のためのコマーシャルなんだろう?
(2)その番組で「ニプロは、1つの容器から6回接種できる注射器の増産を厚労省から要請されていて、タイにある工場は準備に追われている」とのこと。日本の会社が日本国民が使う製品をタイで作っている。日本の会社とタイの従業員が潤うということだ。日本人がこの恩恵にあずかりたければ、会社の利益の分配を受けられるその会社の役員になるか、株主になるしかない。これが日本の株高の背景の一つだ。


そんなことはどうでもよくて、以下チャートだけ。

2019年4月~2019年7月 4カ月
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2019年8月~2019年12月 5カ月
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2020年1月半ば~2020年2月 1か月半ほど
小刻みな連動

2020年3月~2020年8月 6カ月
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2020年9月~2020年12月 4カ月


2021年1月~
新しい連動が始まったか?
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参照 円/ドル 投機筋のポジション

円/ドル先物について、実需投資家(Commercial)、大口投機家(Non-Commercial)、非報告(Nonreportable Positions)のポジションが公表される。
通常は投機筋(大口投機家)のポジションが注目されるが、実はもっと小回りが利くのが非報告部門(報告義務がない小口投機筋、大部分は個人だろう)だ。非報告部門ポジションは投機筋(大口投機家)ポジションにやや先行する傾向がある。

その非報告部門の円ロングポジションが取り崩された。もはや円に強気ではないということだ。
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ドル/円と非報告部門のポジションの相関をみると、小口投機筋は1ドル=108円弱程度を見ているようだ。私は、円高トレンド下のテクニカルな円安と今の相場を見ているが、うかつに円買いはできないなぁと感じた。
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なお、ドル/円と投機筋(大口投機家)のポジションは、
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