デルタ株「空気感染」の脅威…梅田&新宿で百貨店従業員陽性ラッシュ
2021/08/05 日刊ゲンダイ

■阪神梅田本店128人クラスター■
同店は地下1階から地上8階まで9フロアあり、感染者は地下1階86人、1階26人と両フロアに集中している。
広報担当者は「1カ所しかない社員食堂や更衣室での感染であれば、両フロアに偏ることは考えにくい。両フロアの売り場か、フロアごとにある事務所で感染した可能性があります。消毒や換気など感染対策は徹底していたのですが」と驚きを隠さなかった。

昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)が言う。
「感染者数は地下1階が圧倒的に多い。地下は換気が十分ではないことがあり、エアロゾル感染が起きた可能性があります。デルタ株のウイルス排出量はかなり多い上に、ウイルス自体が細胞に侵入しやすい特徴を持つ。感染力はかなり強力です」

デルタ株の空気感染(エアロゾル感染)は厄介だ。デルタ株感染者がフロアに1人でもいれば、エアロゾルに乗ったウイルスがたちまち広がるのもうなずける。エアロゾルは最大3時間程度、感染力を維持しながら空中を浮遊する。
デルタ株は、ワクチン接種完了者も感染し、他人に感染させることも分かっている。
どこでもデルタウイルスが漂っている――。これまでの何倍も警戒したほうが賢明だ