TOPIX銘柄の2020年度決算発表がほぼ終わった。前年度比で1割以上の増益となったようだ。2021年度の実質GDP成長率は▲4.8%程度と予想しているが、これだけ景気が落ち込んだのに、企業収益は増益になった。
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TOPIX銘柄の2020年度決算発表がほぼ終わった。
(まだ、日清製粉やブリジストン、三菱UFJFG 、東京海上他が残っている。)

私は、TOPIXの2020年度(2021年3月期)のEPSを80.0と予想していたが90を超えたようである。
2019年度が82.0だったので、1割以上の増益となった。
2020年度の実質GDP成長率は▲4.8%程度と予想しているが、これだけ景気が落ち込んだのに、企業収益は増益になった。
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何があったのか? 2点ある。
(1)日本企業の海外進出。日本企業(特に製造業)は国内経済が芳しくなくても、景気がよかった中国や米国で収益を挙げた。
(2)ソフトバンクグループ(9984)。当期利益はおよそ5兆円。前期が赤字で、利益はおよそ6兆円増えたことになる。TOPIXの利益合計は30兆円程度なので、その凄まじさがわかろう。
トヨタも利益が大きい(2兆2千億円程度)が、トヨタの場合は、その利益はグローバル経済動向に沿った形になるのでそれほど、全体利益予想をかく乱しない。
ソフトバンクグループの場合は、オルタナ投資のようなもので、必ずしも経済動向に沿った形というよりは、大きなレバレッジがかかっているようなものだ。

まぁ、しかし、済んだことはことは済んだことだ。株価は2021年度以降の業績予想をベースに動いている。
私の今後のTOPIX企業収益予想は次の通り。
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翌期のEPSの14倍が株価の妥当値と見ているが、これでは現水準のTOPIXは1年後でも、まだ高すぎる。もっとも、米国の金融緩和も勘案すれば、現水準でも割高ではないかもしれない。
つまり、米国がテーパリングを始めれば、日本株にも下落圧力がかかるということだ。