ISM製造業景気指数は、前月より低下したからと言って60.7もあれば経済拡大は持続している。一方で、原材料価格高で目先の物価上昇懸念は非常に強いが、市場は、FRBが言うように、持続的だとは思っていないようだ。
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米供給管理協会(ISM)が3日発表した4月の製造業景気指数は60.7と、3月の64.7から鈍化した。新型コロナウイルスのワクチン接種の進展や、大規模な景気刺激策により、これまで抑えられてきた需要が出てくる中、原材料などの供給不足が抑制要因となっているとみられる。
製造業者が需要に追いつくために在庫の取り崩しを始める中、倉庫には在庫がほぼない状態で、製造業者は当面、資材確保に奔走するとみられる。
雇用指数は55.1と、前月の59.6から低下。労働者不足が雇用鈍化の原因とみられる。雇用は20年2月のピークを840万人下回る水準であるものの、多くの産業で企業が人材確保に苦戦している。
労働力不足を背景に、4月に雇用者数が大幅に増えたとの見方が後退する可能性がある。ロイターのエコノミスト調査によると4月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比95万人増と予想されている。3月は91万6000人増だった。4月の雇用統計は7日に公表される。


経済データは、経済動向はどうか(拡大が続くのか?など)、インフレ動向はどうか(金融政策を動かすほどか?など)という観点で見る。

今回のISM製造業景気指数は、PMIが前月より低下したからと言って60.7もあれば経済拡大は持続しているのは間違いない。一方で、原材料価格高で物価上昇が起きている、それにともない製造業者は在庫を抑え、当用買いに徹しているようだ。
目先の物価上昇懸念は非常に強いが、市場は、FRBが言うように、持続的だとは思っていないようだ。この辺の判断が難しい。

なお、ロイターによると、『雇用指数は55.1と前月の59.6から低下。労働者不足が雇用鈍化の原因とみられる。雇用は20年2月のピークを840万人下回る水準であるものの、多くの産業で企業が人材確保に苦戦している。』とのこと。
雇用は過去のピークを大幅に下回る水準だが、企業は人材確保に苦戦している。どういうことだろう?考えることは、これが賃金上昇につながるかどうかである。

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米ISM製造業景気指数、4月は60.7に鈍化 雇用も減速 | ロイター
April 2021 Manufacturing ISM® Report On Business®データ発表サイト
ISM Manufacturing Index Falters in April

参考
The Markit PMIs Manufacturing PMIs Step Up and Step Out US Euro China