米実質金利の低下継続で、固有要因があるユーロや豪ドルは堅調である。しかし、円は固有要因に乏しく、反落した。為替相場は難しい。
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円/ドル
一時の熱狂は収まったが、依然、米国のインフレ懸念が金融相場の最大の材料だ。
従って、為替相場にとって、実質金利(=インフレリンク債利回り)が基本的な相場変動要因になる。

米国の期待インフレ率は依然強く、実質金利(=名目金利-期待インフレ率)は低下気味である。グラフでは右逆目盛。米実質金利低下に伴い、

ユーロは貿易黒字、経常黒字が拡大していることもあって、対ドルで堅調。
20210430a

Aussie(豪ドル)も、資源(銅や鉄鉱石など)価格が堅調で、対ドルで堅調である。
20210430b

円だけが、円高から足元で円安に転じている。
グラフの左目盛は逆目盛になっていることに注意。
20210430c
これは、米国の名目金利が低下したからだ。ユーロや資源通貨はそのようなことはない。
20210430d

円相場を決定づける他の要素(経常収支や資源価格など)に乏しいようだ。
日本は、基礎収支の黒字はコロナ禍による対外直接投資の減少にともない拡大しているが、インフレ懸念もなく(つまり、金利の先高懸念もなく)、固有要因が見当たらないということだろう。

<参考>
米国の期待インフレ率(向こう10年の予想インフレ率の平均)
インフレ率は総合。食料・エネルギーを除くコア物価上昇率ではない。
20210430e