それは金(カネ=ドル)である。
日本は世界最大の対外純資産国である。
しかし、外貨準備は中国がNo1である。
20210317p

両者の違いは何か?
対外純資産は、民間と政府の対外純資産(対外資産から対内資産を引いたもの)である。
外貨準備は、政府の保有する対外資産である。

日本は、民間が貿易等で稼いだ資金を、主に民間が対外投資する。つまり、民間が保有する海外資産が大きいということである。
中国は、民間が貿易等で稼いだ資金を元と引き換えに政府が吸収する。従って、政府が保有する海外資産(外貨準備)が大きい。

中国政府はこの世界No1の外貨準備を、対外戦略に使っているのである。
しかも、恐ろしいことに、対外純資産も香港を加えると、日本を越えて世界No1になる。

米国は唯一のワールド・マネーをプリントできる国である。その資金で輸入を行い、相手国に恩恵を与えている。おかげで、貿易赤字は大きく、対外純資産はとんでもないマイナスである。
中国は、保有するドルを貸したり、海外でインフラ事業を行い、相手国を牛耳っている。

米国はワールド・マネーを自らプリントできるが、中国は主に米国との貿易でドルを得た(中国への直接投資もある)。つまり、米国は中国に貿易でドルを与え、中国はそのドルで新興国などを牛耳っているのである。また、中国は人口が多いので対米で稼いだ資金で戦略的にドイツや資源国から輸入を行い、相手国への影響力を高めている。

米国政府がいくら中国にファイとしても、米国民間が中国に直接投資を行い、中国から輸入をすれば、今の図式は変わらない。米国が中国に圧力を加えたければ、米国企業を制御する必要があるが、米国ではそれは簡単ではない(中国が中国企業を制御するのは簡単)。
日本でも、楽天は中国テンセントと提携して、日本製商品を微信(ウィーチャット)を通じて販売したいようだ。また、テンセントの楽天株の保有割合は3.65%となる。民間にとって中国は魅力的だ。それも、中国がドルを持っているからだ。

もはや、中国の世界覇権については、抜き差しならない状態になりつつあるようだ。

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