新規失業保険請求件数から推計した非農業部門雇用者前月比増加数は+180千人。

(1)サービス業景況指数
米供給管理協会(ISM)が発表した2月ISMサービス業景況指数は55.3と、1月58.7から低下。
仕入れ価格は71.8と1月の64.2から大幅に上昇。2008年7月来で最高となった。
雇用は52.7と1月55.2から低下。
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マークイットが発表した2月サービス業PMIは59.8と、1月の58.3から上昇。2014年7月来で最高。
雇用は増加も、伸びは弱かった。価格は急ピッチの上昇。


米供給管理協会(ISM)とマークイットで総合指数は異なる結果になったが、サービス業の雇用の増加はどちらも鈍化を示した。(製造業の雇用の拡大は高まっている。)

(2)米2月ADP雇用統計
ADP統計では、2月の米民間雇用者数は前月比+11.7万人。1月19.5万人から鈍化した。
新型コロナ関連の制限措置で雇用の伸びが引き続き抑制されていることを示唆。
ただ、コロナを巡る懸念が和らぐにつれ、労働市場は目に見えて改善する予想されている。
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以上のように、2月のISMサービス業、PMIサービス業、ADP統計と、雇用の拡大は鈍化している。

(3)新規失業保険請求件数
新規失業保険請求件数から推計した非農業部門雇用者前月比増加数は+180千人。
但し、グラフに見るように激しく変化しており、推計しにくい。
(調査は、毎月 12日を含む給与支払い期間を調査期間としているが、少しずれただけで大きく結果は変わりそうだ。)
また、季節調整が混乱をもたらす危険もある。前年のパンデミックの影響で、しばらく季節調整の混乱は続きそうだ。
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失業保険請求件数は毎週発表されている。12日を含む週で推計しているが、1週ズレただけで随分変わる。場合によっては、景況指数やADPが示唆するのと反対に、高い数値が出てくるかもしれない。
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過去の予想と結果
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