インフレ懸念→FRBの金融緩和姿勢に変化があるのではないか?
23日、上院銀行委員会でのパウエルFRB議長の証言待ちの間、株価は下げた。

議会証言で、パウエルFRB議長は米経済への支援継続を改めて示唆したことから、株式相場は急速に戻した。
・パウエル議長は年内に経済活動の正常化と改善が進むことへの期待感も表明。
・インフレ加速懸念に対しては、それほど重大視しなかった。
・最近の債券利回り上昇については、力強い経済見通しに対する「確信の表れ」だと指摘。
・それでも、FRBの米経済への支援継続を改めて示唆。
株式投資家にとってはバラ色のシナリオだ。
しかし、FRB議長はいつも調子のいいことを言う。政策を担っており、市場を落ち着かせるためだ。民間のエコノミストとは違う。FRB議長が「インフレが心配だ。その可能性が高い。でも、金融政策は変えない。」などと言ったら、市場はひっくり返る。市場はそれをわかっている。
とはいうものの、前回までの当ブログ「米国 物価について 現況」に見るように、物価は上昇方向にあるが2%を超えてどんどん上がり続けるというようなことは示されていない。今のところは概ねFRB議長の言うとおりだと思う。株式市場の上昇トレンドは変わっていないと私は考えている。

それでも、
インフレ懸念が高まっていることに関して、パウエル議長は『インフレ率は今後数カ月にわたって加速が見込まれるとしつつ、そうした影響は一時的なものにとどまる』との認識を示したが、市場がそれをそのまま信じることはないだろう。市場のインフレ懸念は続くだろう。
つまり、株式相場が一本調子で上がり続けることはないだろう。

<議会証言>
パウエルFRB議長、債券購入の継続を示唆-改善への期待も表明
FRB議長 緩和継続強調 ワクチン普及で年内正常化

<追記>
今回の発言で注目されるのは、長期金利の上昇をよしとしたことだ。
また、発言を信じるなら、『年内に経済活動の正常化と改善が進む』ということだ。
そうなら、株式は高PER株でなく、バリュー(但し、減配リスクが小さい銘柄)が好まれるだろう。
一般にPERが高い、これまで買われてきたメガキャップテク株(時価総額の大きなテクノロジー株=GAFAMのような)がもたつけば、株価指数ももたつくかもしれない。




次は参考まで 上記とは無関係
中国人民銀、デジタル通貨のクロスボーダー決済構想に参加=BIS
(1)各国中銀がデジタル通貨(デジタルドルやデジタル円など)を導入し、クロスボーダー決済機構ができれば仮想通貨は'extremely inefficient' になろう。
(2)クロスボーダー決済機構の中で、デジタル元が主流になれば、ドル覇権が崩れる。