今、株式市場の最大の話題は、
(1)米国株式相場はバブルかどうか、
(2)米国で金融の量的緩和を転換させるほどのインフレが起きるかどうか

(1)については改めて検証する。今回は(2)を考える。

その前に、そもそもインフレ率とはを考える。

(A)インフレ率は4種類ある。
(ア)消費者物価(CPI)前年同期比上昇率
注 消費者物価指数(季節調整済み)の前月比が市場で取り沙汰されるが、インフレ率とは1年前と比べてどれくらい物価が上昇したかである。
(イ)コア消費者物価前年同期比上昇率
対象品目全体から変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の前年同期比上昇率
(ウ)個人消費支出価格指数(PCE物価指数)前年同期比上昇率
GDPを構成する個人消費支出(Personal Consumption Expenditure)における物価変動を指数化したもの=デフレーターの前年同期比上昇率
(エ)コア個人消費支出価格指数(PCE物価指数)前年同期比上昇率 
価格変動の大きな食品・エネルギーを除く家計が購入した財・サービス価格を示す指数である「コア個人消費支出価格指数」の前年同期比上昇率

(B)CPIとPCE価格指数の違い
指数の計算方法に連いがある。
CPIは基準年のウェイトを用いるラスパイレス指数。
PCE価格指数はデフレーターである。つまり、フィッシャー指数の連鎖指数を用いている。
統計に相当詳しくないと、何のことかわからない。
それはそれほど重要ではなく、
対象項目が、PCEの方が広く、特に、健保を使って医療サービスを受けた場合、CPIでは自分で支払った分だけしか考慮されない一方、PCEでは会社が負担した分も含まれる。
このため、PCEの方が医療費のウェイトが高く、その分、変動は小さくなる傾向がある。

(C)Fedのインフレ目標
FOMC は、2012 年1 月25 日に、物価の安定について、個人消費支出価格指数(PCE デフレーター)の前年比2%を長期目標(longer-run goal)とすることを定めた。
Federal Reserve Board - Federal Open Market Committee reaffirms its "Statement on Longer-Run Goals and Monetary Policy Strategy"

参考 基礎から見直す米国物価統計(FRBが注視する物価指標)

「長期」としていることから、価格変動の大きな食品・エネルギーを除くコア指数が判断材料として適当と思われる。FOMCは長期にはPCEデフレータもコアPCEデフレータも同じになると考えていることから(どちらでもいいやと)PCEデフレータが目標になったようだ。ブラインダー元副議長から聞いた。

(2)へ続く