米国株価水準については何度も取り上げてきた。
ここで、再度復習しておく。

新型コロナ感染症拡大後、株価と企業業績に大きなギャップが生じている。
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(注)プロフォーマEPSとは経常収益のことである。会計上の最終利益(当期利益)に一時的損益を戻し入れ(add back)て計算する。

なぜ、こんなことが起きたのか。
(1)世界的な低金利
日本、欧州と金利がない世界で、一人金利があった米国も金利がなくなった。
FRBは2020年3月15日、臨時のFOMCを開催し、FF金利の誘導目標を、1.00~1.25%から0.00~0.25%(実質ゼロ金利)に引き下げた。
米FRB、臨時のFOMCを開催、1.0ポイントの追加利下げとFRBによる資産購入拡大を決定(米国) | - ジェトロ

世界の投資資金は行き場を失い、勢い株式市場を押し上げた。

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(2)また、FRBは国債、住宅ローン担保証券(MBS)買入により、流動性供給を行った。

(3)さらに、政府は3月以降矢継ぎ早に大規模な 財政政策を打ち出した。この結果、企業業績も急速に回復に向かった。

米国株価は企業業績に大きなギャップが生じている=PERが拡大している。1999年の株価バブル(ITバブル)時並みのPERになった。計量的には、上記(2)のマネーサプライ(M2の前年同期比増加率)の急増が高PERを支えている。
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点線は、今後、株価は今の水準(S&P500が3,934.83)が続き、EPSは予想どおりになると仮定した。

こうしてみると、さらに株価が上昇していくかどうかは、1.9兆ドル規模の追加経済対策がどうなるかが重要だが、株価が調整するかどうかは、金利動向・マネーサプライ動向が重要だろう。
参考 バイデン米政権、将来のインフレ憂慮よりも目前の経済課題に全力対応 - Bloomberg

(続く)