CFTC(米先物取引委員会)は、各取引所に商品別に先物の投資家部門別の建て玉の公表を義務付けている。
現地時間で毎週火曜日の取引終了後に報告されたポジションが、週末金曜日の取引終了後に発表される。

投資家部門の区分は、旧タイプ(Legacy Reports)と新タイプがある。
旧は、実需投資家(Commercial)、大口投機家(Non-Commercial)、非報告(Nonreportable Positions)に分けている。
新は、仲介業者(Dealer)、機関投資家( Asset Manager=年金・保険・投信)、ヘッジファンド(Leveraged Funds)、その他、非報告の5部門。

市場で注目されるのは、昔からあったLegacy Reportsの大口投機家(Non-Commercial)の建玉である。
最近では、新フォーマットのヘッジファンド(Leveraged Funds)の建玉が注目される。但し、これは旧フォーマトの大口投機家(Non-Commercial)に近いので、傾向を見るなら、どちらも似たようなものである。

データは、次にある。Commitments of Traders | CFTC
Historical dataは、Historical Compressed | CFTC
見方は、書き出すと長くなるので、省略するが、次が参考になる。
CFTC投機筋のポジション | ブライト・アセット

さて、円/ドルの状況を見てみると・・・
その前に、為替市場の通貨ペアはドル/円である。つまり、ドルを何円で取引するかということである。一方、通貨先物市場では、円/ドルである。円を何セント(または、100円を何ドル)で取引するかということである。なお、先物の取引単位は、1枚=12,500ドルである。わかりにくいが、通貨先物取引をするわけでなければ、特に気にする必要はないだろう。建玉動向だけを見ていればよい。

やっと、本題。
投機筋のネットポジションは、今の為替レートよりややドル高を見ているようだが、
20210130a

これには裏がある。投機筋のポジションを円ロングと円ショートで分けてみると。
円ショートが(物理的にこれ以上低下することのない)ほぼ下限まで低下しているのである。
ネット円ロング=円ロングー円ショートで、円ショートが低下しなければ、ネット円ロングは拡大しにくい(注*)。つまり、実態より投機筋のポジションはドル高に傾いているかもしれないということである。
20210130b

今後については、円ショートは拡大方向にしか余地はない。(円ショートの拡大⇒ドル高)
今の円ロングポジションは過去の平均よりやや高い。平均回帰するなら、円ロングは縮小しやすい。(円ロングの縮小⇒ドル高)
勿論、円ロングがさらに拡大する可能性も十分あるが、投機筋のポジションはドル高に向かいやすい状態にあると言える。

私の結論は、「世界同時ゼロ金利(キャリートレードがない)時代には、為替相場のトレンドは国際収支(貿易収支、経常収支、基礎収支)で決まる。その中で、投機筋が小さな動きを作る。」ということである。国際収支の発表は遅く、予想も難しいが、ドル円は、基礎収支に沿って円高方向(年末100円程度)、その中で、時折ドル高になるということである。

(注*)
赤線(円ショート)が低下しなければ、青線(ネット円)は拡大しにくい。
青線(ネット円)が(実態を反映せずに)拡大していない=円高方ににシフトしていない=ドル高方向に傾いている ということだ。
20210130c