資金循環統計より

今年度に入って、国債の純発行額が急増している。
4-9月の上期合計では、
国債の純発行額=78.54兆円  うち、長期債=10.45兆円 T-Bill=68.08兆円
T-Bill(短期国債)が多い。
大部分は日銀が購入している。長期債を11.79兆円 T-Billを32.18兆円 購入している。
国内銀行は、長期債売りの短期国債買いだ。
海外投資家も長期債売りの短期国債買いだ。

長期債については、純発行額より、日銀の購入額の方が大きいように、日本国債の需給を考えても意味がない。意味がないが、フーンと見ておけばよい。
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保有残高では、日銀が45%にもなっている。
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グラフの凡例「日銀の国債保有残高(右軸)」は正しくは「日銀の国債保有残高(左軸)」。

次に保有が大きいのは生命保険であるが、その半分程度はかんぽ生命だと思う(未確認)。

日銀は政府の一部門だとすると、国債の実質発行額(発行残高-日銀保有分)は少ない。
あるいは、いくら国債を発行しようと、日銀が購入すれば、政府の実質借金は増えないと思うだろうが、そうではない。日銀の借金額(日銀預け金)が増えているのだ。つまり、日銀が国債を買う資金は市中銀行の日銀預け金に依っている。そして、その市中銀行の資金は国民の預金だ。結局、日銀預け金も国民からの借金である。
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こんな調子で政府は借金(国債+日銀預け金)を増やしていって大丈夫なのか?いつかは破綻するのではないかと思うだろうが、大丈夫である。金は(日本)天下の回りものである。今回の国債大量発行になったのも、特別定額給付などをやったからだろう。でも、そのお金は国民に回り、銀行預金になり、銀行は日銀に預ける。何も問題はない。
腑に落ちないかもしれない。大丈夫でないケースがある。特別定額給付で得たお金で海外の品物を買い、資金が国外に行ってしまう時だ。この場合、金は日本天下の外に行ってしまう。この話はし始めたら長くなるので、ここでやめる。
結論は、国際収支が経常黒字であれば、財政破たんは起きないということだ。