勿論、不測の事態はわからない。ホンネも何もない。
しかし、不測でなくても、不安材料はある。

コロナパンデミックについては、感染拡大初期には大きなショックを与えたが、そのため財政金融緩和がなされ、以降は特に相場の流れを変えるようなことはなかった。なので、今後もコロナパンデミックの相場に与える影響は特に考えていない。
しかし、このところ、世界的に感染者数が急増しているほか、英国で新型コロナウイルスの変異種が見つかって、再度ロックダウンがなされるなど、一筋縄ではいかない。「東京五輪中止ショック」もありえるだろう。

もう一つのリスクは、
ベースの米国株価について、
(1)PERが異常に高い。金融緩和によって支えられているが、金融緩和姿勢に疑問が出たら、大幅な調整があり得る。
(2)金融緩和については、FRBは「雇用と物価に一段と顕著な進展が見られるようになるまで継続する」と表明している。逆に言えば、「物価に顕著な進展が見られたら、金融緩和姿勢を変えるかもしれない」ということだ。
(3)その物価については、大いに懸念がある。
(A)商品価格高がコストプッシュを起こすのではないか?
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(B)原油価格高 このままWTIが47ドルで推移すれば、前年同期比上昇率は大変なことになる。昨年4月にはマイナスなんてこともあった。一時的な現象とはいえ、物価にどう反映するか?なお、コア物価には特に影響はないだろう。
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(C)ドル安 一番懸念しているのはドル安の影響である。昨年ゼロ金利・量的緩和後、一貫して下落している。ドル安による輸入インフレがないか?
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既に期待インフレ率は上昇し始めている。10年期待インフレ率は1.97%になっている。
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以上から、米国株式相場、日本を含む世界の株式相場は、これから、来年前半は調整が続くかもしれない。これがホンネである。
また、インフレから米国金利上昇となれば、来年後半はドル高もあり得よう。