短期的には、海外投資家が日本株を買えば、日本株相場は上がるし、売れば下がる。
まずは、1週間ベースで。
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4週間で見ても同様。
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13週(3カ月)ベースでも同様。
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「短期で、海外投資家が日本株を買えば日本株相場は上がるし、売れば下がる」のなら、それを延ばしても同じことになるはずだが、実はそうではない。
52週(1年)ベースになると、2012年までは海外投資家が買っていても、日本株相場は下がることがあった。2012年以降は、逆に海外投資家が売っていても、日本株相場は上がることがある。
2012年を境に何か変化があったようだ。日銀のETF買いが始まったからだろう。(また、GPIFの日本株ウェイト引き上げもあった)
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短期的には海外投資家が日本株相場を動かしているが、実は、長期的には全くそうではなくなっている。海外投資家は売ったり買ったりする額が大きく相場を動かすが、中長期で見ると、売り越しが続いている。海外投資家が完全に相場を支配しているなら、日本株相場も下落を続けるはずだが、そうはなっていない。
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日銀は海外投資家に比べ売買高は大きくないが、買いのみなので長期的には買越額が積みあがっていく。(海外投資家は、売ったり買ったりし、2015年以降は長期的には売り越しが積みあがっていっている。前にも書いたが、2015年以降の逆オイルショックでオイルマネーが日本株を売り続けている)
日銀の買いが海外投資家の売りを支えているということだ。

日銀のETF買いがなければ、TOPIXは600まで低下していたかもしれない。つまり、5年間で日銀はTOPIXを1,000ポイントも押し上げたということだろう。日経平均では13,000円くらいの相当しようか。もっとも、日銀が買ってくれるので海外投資家が売っていた面が大きいので、日銀が買わなければ、ここまで海外投資家は売らなかっただろう。TOPIXが600まで下がれば、そもそも海外投資家だって売らないだろう。また、逆張り志向の個人は買ってくるだろう。年金だってリバランス買いを入れるだろう。なので、「日銀のETF買いがなければ、TOPIXは600まで低下していたかもしれない。」ということはない。しかし、日銀が買い支えたのは間違いない。