海外投資家の日本株売買高(自己・委託合計)に占める割合は概ね60%。圧倒的だ。
 参照 投資部門別 株式売買状況 二市場一・二部等 [金額] 全 49 社

海外投資家が短期的な日本株相場を支配しているのもむべなるかなというものだ。
海外投資家が買えば上がるし、売れば下がる。
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よって、海外投資家動向を予想できれば相場も予想できる。
しかし、海外投資家動向の予想は、相場の予想と同じくらい難しい。

いったい、海外投資家は、どういう場合に日本株を買ってくるのか、どういう場合に売ってくるのか?
これは、以前に書いたので今回は省略。

難しいのは日本の事情だけで決まらないことだ。
日本の投資家が英国株をどういう場合に買うかを想像するとわかるだろう。
日本に英国株式市場を専門にウォッチしている投資家は少ない。では、どういう場合に買っているのか?
日本の機関投資家が海外株式を買うときは、通常、MSCI KOKUSAI指数に沿って購入する。つまり、海外株式投資額の概ね4.3%が英国株に振り向けられる。要は、英国株をことさら買うということではなく、海外株式を買うと英国株にも投資されるということだ。
同様に、海外投資家が日本株を買うときは、日本株だけを買うというよりは、EAFE指数に投資すると、日本株に概ねその25%が振り向けられるということになる。
なので、海外投資家が日本株を買ってきた場合に、必ずしも日本の・・・を評価して買ってきたというわけではないことに注意だ。

日本株相場が、こういう投資家に左右されているのだから、日本株相場動向を日本の事情で予想するのは難しい。

ところで、『短期的に日本株相場を形成する海外投資家』と書いたが、長期になると話は違ってくる。
海外投資家は2015年から一貫して日本株を売り続けている。逆オイルショックでオイルマネーが日本株を売り続けているのだ。で、日本株は下がり続けているかというと、そんなことはない。
海外投資家が売る分を日銀が買い支えているからだ。
これについては、次回に。

最後に、今年に入って日銀は日本株の買い入れ上限額を一段と高めた。それに伴って、中期的(3カ月程度以上)にも日本株相場は海外投資家動向に完全に支配されることはなくなっている。
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