ファイザーショックで、これまでの傾向に反転して、バリュー株(value 割安株)のパフォーマンスがグロース(growth 成長株)株を上回り始めた。
これはいつまで続くのだろう?

(1)米国株と日本株
日本企業の海外進出が進むにつれ、日本企業の業績が国内経済に左右される時代から、世界経済に左右されるようになった。それに従い、日本株のパフォーマンスも、海外市場とほぼ同様になった。米国株との違いは、いわゆるメガ・キャップ・テク・ストックス、FAAMGがあるかないかだ。FAAMGを除けば、日本株のパフォーマンスは米国とも遜色はない。
これについては、2020年11月07日 日本株堅調の背景を参照。
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(2)Nasdaq100とNYSE100
FAAMGを中心とするNASDAQ100とFAAMGを含まないメジャー企業で構成されるNYSE100を比べると、両者のパフォーマンスの乖離は今年になって特に拡大し始め、covid19感染拡大後はさらに一段と拡大した。
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しかし、この傾向が11月9日のファイザーショック以来反転し始めた。バイデン大統領が特定企業の市場支配を制限しようとしていることも後押ししている。
安全で有効な新型コロナワクチンが開発され、世界各国に行き渡れば、新型コロナウイルス感染症は終息し、通常の経済(covid19感染拡大前)に戻ることが期待される。 .株価においても、NYSE100がNasdaq100にかなり追いつくということになると思われる。

(3)日本株 バリューとグロース
日本においては、グロース株(成長株)がバリュー株(割安株)を大きくアウトパフォームするということが起きた。割安株が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きなダメージを受ける一方、成長株にはむしろそれがfavorになった面があるからだ。
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長期的には、グロース株がバリュー株をアウトパフォームする傾向は変わらないと思うが、ワクチンが有効でcovid19感染症拡大前の経済に戻るなら、今年になっての乖離拡大はかなり縮むのではと思われる。
そうであるなら、グロース株中心のポートフォリオは苦しくなる。グロース株中心のポートフォリオが締め上げられるなら、一層、バリュー株が優位になる。ここはファンドマネージャーの考えどころだ。
動く人は動いているようだ。
S&P500連動ETFに大量資金流入、ナスダックETFから乗り換えか - Bloomberg

参照 2020年11月08日 日経平均はどうでもいい。