日本人は変化を嫌う。チャレンジを嫌う。失われた20年も変革を嫌ったから、そうなった。
日本は経常黒字の国でそれ(変革しないこと)ができたからだ。
おかげで日本は経済成長せず、世界の中でのプレゼンスは低下する一方になった。それでも、今でも日本は世界第3位のGDP国であり、国民の生活はそれなりに維持されている。

大阪都構想の本当の狙いは閉塞感からの改革だ。
しかし、大阪都にしなければならないという切実な状況にはない。
大阪は成長・飛躍するチャンスを逃したかもしれない。
それでも、これからも日本での重要な都市であリ続けるだろう。市民の生活もそれなりに維持されていくだろう。

そういう中で、住民にとって目先の損得で大阪都構想を議論すると話は進まない。当然の結果になったと思う。

賛成派は構想の具体的な成功の姿・バラ色の姿を示すのは難しい。都構想の成功は確約されたものではない。そこへ、反対派から『政令指定都市をつぶしてしまったら元には戻らない』という殺し文句を言われたら、大阪市民はおじけづくのは当然だろう。確約されていないなら、今のままでいいじゃないかと思うのは、日本人の性質だ。

バブル崩壊後、一つ大きな変革があった。不良債権処理だ。不良債権処理もだましだまし先延ばしされてきたが、ついに、小泉内閣で行われた。なされていなかったら、リーマンショックの時どうなっていたか?

大阪都構想は、変革のない日本において、次の変革になるかと期待していた。地方政府を改善ではなく、改革できる唯一のチャンスだからだ。
十年後に振り返って、あれが日本の再成長のきっかけとなった。大阪都構想があったから、日本の経済は変われた。と言えるような気がした。
大阪都構想がうまくいけば、日本全国的に刺激を受けるからだ。

残念な結果になった。
まぁ、しかし、これが日本だろう。大阪の人の問題ではない。
失われた30年、40年に向けてひた走っている。