なんだか東証のシステム障害(全日止まったのはびっくりした)やトランプ大統領の新型コロナウイルス感染とか、私は両方とも相場への大きな影響はないと見ているが、ややこしい話だ。特に後者は相場は不透明を嫌うので、一たびは株は売られることになる。これが何かのトリガーになるかどうか?

前回、S&P500の30日上昇率とVIX指数の関係に異常が起きていることを書いたが、日経平均はどうなっているのだろう?

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(注)日経ボラティリティー指数=日経平均ボラティリティー・インデックス

多少、米国と似たところがあるが、米国ほど顕著ではない。
似たところがある背景は、株価の業績対する割高感であろう。
参照 
日本株は割高なのか?
日本株 業績と株価の乖離

米国ほど顕著でないのは、日本にGAFAMのような銘柄がないことなどだろう。投機的な投資家が少ないこともある。



ところで、株価の価格変動の度合いを示すものとしては、Historical Volatility(ヒストリカル・ボラティリティー)もある。過去30日間の毎取引日の変化率から算出した数値だ。こちらは、過去の実績値の変動率だ。
参照 ボラティリティには2種類ある

S&P500のVIX指数とHV(ヒストリカル・ボラティリティー)を比べてみよう。
コンセプトとしては、VIX指数は向こう30日の予想変動率。HVは過去30日の実績変動率だ。
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左の目盛は右目盛より5%低い。

VIX指数はHVより約5%高いが、両者は殆ど同じ動きをしている。予想と言っても過去に影響されるということだ。
ただ、最近までは、HVに比べてVIXが高かった。これもVIX指数の異常だろう。


最後に、S&P500と日経平均のHVを比べてみる。
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直近では、S&P500のHVが上がっているのに、日経平均のHVは低下している。
だからどうだということはない。
「ふーん、そうなんだ。」というだけである。