以下は、私がいろいろなニュースを見て、記憶で書いているので不正確なところがあります。
(ニュースは保存していない。もう一度探すのも無理)

S&P500とVIXが同時に上昇するという奇妙な現象
ナスダックの「クジラ」説に懐疑論、ハイテク株高の原動力巡り - Bloomberg

VIX指数は市場が今後の株価(S&P500)の変動をどう見ているか(予想変動率)を反映する。
予想変動率が高まるとVIX指数は上昇し、低下すると下落する。
投資家の将来不安を反映するため恐怖指数とも呼ばれている。
不安になればなるほど、価格の変動が激しくなるため、ボラティリティ(変動率)が跳ね上がる。

こうして、通常、株価指数(S&P500)とVIX指数は殆どタイムラグは無しで逆行する。
ところが、8月18日から両者が同時に上昇するという奇妙な現象が起きた。
20200908a
グラフの一部修正。 緑色の縦線は2020年8月18日 茶色の縦線は2020年8月26日

早速、市場で分析が始まり、ニュースによるとゴールドマンザックスなどが顧客にレポートを送ったようだ(私は知らない)。
リスクが高まっているのをお構いなしに買っている投資家がいるようだ。

Goldman SachsやMorgan Stanleyは、out-of-the-money call options(現在の価格よりも高い価格で証券を購入するコールオプション*)の購入の急増に気づいた。
*つまり、今の価格のままオプションがexpireすれば、無価値になる。
異常なのは、購入額が大きく、いくつかの大手テクノロジー企業に集中していたことだ。
誰かがSalesforce、Adobe、Google、Amazon、Facebook、Netflixなどのハイテク大手とTeslaの7銘柄に短期間の大きな賭けをしていた。

そして、先週金曜日、メディアはその"Nasdaq whale"の正体をSoftBankだと明らかにした。

この大規模なコールオプションの購入は、S&P500のようなインデックスオプションと比較して、個別株のハイテク株に集中していた。こうしたオプション市場における単一セクターへの集中は前例がない。
今回は、テスラを含む7つの大手テクノロジー株に約40億ドル(現物株想定額約300億ドル)のコールオプションが購入されたようだ。既に、一部は何らかの形(信用売り、putの買いなど?)でヘッジされたようだ。

以上から、
(1)冒頭のBloombergの記事はナスダックの「クジラ」説に懐疑的だが、これだけわかってしまうと、市場は7銘柄に警戒的になるかもしれない。個人なども利食いに走る可能性はあり、市場の押し下げ要因になるかもしれない。
(2)SBGは、今やバークシャー・ハサウェイ(主に上場会社投資)の向こうを張って、投資会社へとシフトさせっていっている。これまでは主に未上場株式投資であったが、今度は投機を始めたかのように市場に思われた。これは市場に評価されず、ニュースでは、今回のオプション買いで今のところ約40億ドルの含み益(約40億ドルを投じて約40億ドルの利益)が報じられているが、株価は下げている。
今回の投資は、単純なコールオプションの購入なので、最大損失は40億ドルに限られている。しかも、既に一部はヘッジされたようなので、最悪の場合でもSBGにとって致命的な損失にはならないだろう。しかし、out of the money call の買いと極めて投機的である。まともな投資会社のすることではない。ヘッジファンドでもここまではやるまい。
一体、SBGのガバナンスはワークしているのか?市場が心配になってもおかしくないだろう。そのうち、メディアが背景をレポートしてくれるかもしれない。

ソフトバンクグループ[9984] : 株価 : スマートチャートプラス : 日経電子版

(続き)
日経の記事を見つけた。
ソフトバンクG「4200億円の賭け」の深層 (写真=ロイター) :日本経済新聞
『実態は報道とはやや異なるようだ。今回、SBGが採った方法は権利行使価格の低いコールを買い、行使価格の高いコールを売る「ブル・コール・スプレッド」という手法とみられる。これは、相場がゆっくり上昇すると考える際に使う戦略で、利益は少ないが外れた場合の損失も限定されるスキームだ。』

そうだとしても、何故オプションを使うのか? 短期的にexposureを増やしたかったということか? では、何故そんな短期のトレードをするのか?