起きていることを伝える記事は多くある。全て一覧表になっているポータルがあればいいなぁと思うが・・・。雑誌「FACTA」は、比較的多くの記事がまとまっている。そして、比較的深い。信頼度も高い。2020年9月号には、(私にとって)興味深い記事が多い。
日経に溢れる凡庸コメント 「三井住友アセット」の異様
このタイトルはわかりにくい。三井住友アセットに何か問題があるのかと思ってしまう。ないことはないが、記事の趣旨は『日経のレベルが落ちた。現場の取材力が落ちた。」ということだ。紛らわしい。おまけに、記事には三井住友アセットの社長の写真まである。これは不適当と思う。
それはともかく、日経の50年の読者であり、アセマネ業界にも身を置き、日経の取材を受けたこともある私としては、この記事を評価することができる。
(1)日経のマーケットコメントに三井住友アセットのアナリストらが多く登場する理由は、この記事でなんとなくわかる。
(2)日経にセルサイド・アナリストのコメントが減っている理由も記述がある。これは、そのとおりだろう。
(3)問題点として、(A)日経記事に特定の会社(三井住友アセットなど)のコメントに偏ってしまっているが、読者は、様々な組織からの意見が聞きたいはずだ、(B)バイサイドのコメントはセルサイドのコメントより質が低い。ということを指摘している。
ノーコメントとしておこう。
(4)日経の情報が劣化、レベルが落ちた。日経のマーケット欄は斜め読みの価値しかない。価値ある記事はFTやBloomberg、Reutersである。と言っているが、
これも、ノーコメントとしておこう。
(5)日経は現場の取材力が落ちた。
これはそう思う。しかし、記事にも書かれているが、アナリスト規制やアクセス制限、コンプライアンス、インサイダー規制などが影響している。取材力が落ちたというより、そういう状況になっている。「日経のM編集委員などは、N証券の情報提供は不公平だ。」などと記事にしている。
記事は、最後に『日経記者自身の知見や見解を、自信をもって情報発信するよう奮起を促したい。』と締めている。
私の感想
(1)資産運用は、情報ドリブンから、分析ドリブンに変わってきている。分析という点では、セルサイドアナリストの方が有利ということはない。セルサイドはアイデアや情報をバイサイドに提供するが、バイサイドはそれを分析してデシジョン・メイキングしなければならない(運用というアクションを取らなければならない)。日経の読者は、機関投資家がどう判断しているのか、どういう行動をとろうとしているのかを知りたがっている。
(2)日経記事のレベルが落ちたということはない。むしろ上がってきている面もある。但し、記者のレベルはマチマチである。優れた記事も多いが、低レベルの記事もある。同じ記者でも、優れた記事を書くときと、そうでないときがある。インターネットの発達等で読者のレベルが格段に上がったことで、日経記事に求めるレベルは上がっている。
(3)日経記者は、『自身の知見や見解を、自信をもって情報発信する』ために、市場参加者に確認することがある。取材が目的ではないので、聞きやすい人に聞くのだろう。そして、聞いたからにはマナーとして、その人の名を記事に出すのだろう。『当たり障りのない無難なコメント』になるのはそういう理由である。
(4)BloombergやFT、Wall Street、Reutersの記事のほうが記事のレベルが高いとは一概に言えない。しかし、ベテラン記者が多く、駆け出しの記者は少ないかもしれない。異動も少ないのだろう。記事に安定感があることは確かだ。
(5)『日経記者の取材力が落ちた。』のは事実である。事情があるからだ。しかし、そうした事情のなかでも、一つのテーマを徹底的に深堀していく記者はなくなったように思う。但し、レナウンの記事などを見ていると、まだ、いることはいるようだ。
(6)海外欄に秀逸な記事(ウォール街ラウンドアップなど)が多いように見えるが、海外にマーッケットを動かすイベントが多いことが理由だ。
日経に溢れる凡庸コメント 「三井住友アセット」の異様
このタイトルはわかりにくい。三井住友アセットに何か問題があるのかと思ってしまう。ないことはないが、記事の趣旨は『日経のレベルが落ちた。現場の取材力が落ちた。」ということだ。紛らわしい。おまけに、記事には三井住友アセットの社長の写真まである。これは不適当と思う。
それはともかく、日経の50年の読者であり、アセマネ業界にも身を置き、日経の取材を受けたこともある私としては、この記事を評価することができる。
(1)日経のマーケットコメントに三井住友アセットのアナリストらが多く登場する理由は、この記事でなんとなくわかる。
(2)日経にセルサイド・アナリストのコメントが減っている理由も記述がある。これは、そのとおりだろう。
(3)問題点として、(A)日経記事に特定の会社(三井住友アセットなど)のコメントに偏ってしまっているが、読者は、様々な組織からの意見が聞きたいはずだ、(B)バイサイドのコメントはセルサイドのコメントより質が低い。ということを指摘している。
ノーコメントとしておこう。
(4)日経の情報が劣化、レベルが落ちた。日経のマーケット欄は斜め読みの価値しかない。価値ある記事はFTやBloomberg、Reutersである。と言っているが、
これも、ノーコメントとしておこう。
(5)日経は現場の取材力が落ちた。
これはそう思う。しかし、記事にも書かれているが、アナリスト規制やアクセス制限、コンプライアンス、インサイダー規制などが影響している。取材力が落ちたというより、そういう状況になっている。「日経のM編集委員などは、N証券の情報提供は不公平だ。」などと記事にしている。
記事は、最後に『日経記者自身の知見や見解を、自信をもって情報発信するよう奮起を促したい。』と締めている。
私の感想
(1)資産運用は、情報ドリブンから、分析ドリブンに変わってきている。分析という点では、セルサイドアナリストの方が有利ということはない。セルサイドはアイデアや情報をバイサイドに提供するが、バイサイドはそれを分析してデシジョン・メイキングしなければならない(運用というアクションを取らなければならない)。日経の読者は、機関投資家がどう判断しているのか、どういう行動をとろうとしているのかを知りたがっている。
(2)日経記事のレベルが落ちたということはない。むしろ上がってきている面もある。但し、記者のレベルはマチマチである。優れた記事も多いが、低レベルの記事もある。同じ記者でも、優れた記事を書くときと、そうでないときがある。インターネットの発達等で読者のレベルが格段に上がったことで、日経記事に求めるレベルは上がっている。
(3)日経記者は、『自身の知見や見解を、自信をもって情報発信する』ために、市場参加者に確認することがある。取材が目的ではないので、聞きやすい人に聞くのだろう。そして、聞いたからにはマナーとして、その人の名を記事に出すのだろう。『当たり障りのない無難なコメント』になるのはそういう理由である。
(4)BloombergやFT、Wall Street、Reutersの記事のほうが記事のレベルが高いとは一概に言えない。しかし、ベテラン記者が多く、駆け出しの記者は少ないかもしれない。異動も少ないのだろう。記事に安定感があることは確かだ。
(5)『日経記者の取材力が落ちた。』のは事実である。事情があるからだ。しかし、そうした事情のなかでも、一つのテーマを徹底的に深堀していく記者はなくなったように思う。但し、レナウンの記事などを見ていると、まだ、いることはいるようだ。
(6)海外欄に秀逸な記事(ウォール街ラウンドアップなど)が多いように見えるが、海外にマーッケットを動かすイベントが多いことが理由だ。
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