今回の経済の特徴の一つは、業況感と経済実態のギャップにある。
米国だけでないが、昨日発表になった米国の代表的な景況感指数で見てみよう。

7月の米製造業景況感指数は54.2と上昇。2019年3月以来の高水準となった。
この指数を経済実態指数の代表である米実質GDP成長率と比較してみると、
(1)実態指数は新型コロナ感染拡大後、瞬間的に極めて大きく落ち込んだが、業況感指数の落ち込みは小さい。リーマンショックの時とは違う。
(2)業況感指数の回復が早く、それなりの水準に戻ってきている。実体経済がここまで、すぐに戻ることは考えにくい。

前四半期比増加率(3か月前比増加率)のグラフは、
20200804a
実質GDP成長率については、7-9月期の予想を入れているが、前期の反動増という技術的要因が大きい。
これでは、わかりにくいので、
前年同期比増加率で見ると、
20200804b
業況感指数の戻りに比べて、実体経済の戻りが鈍いことが分かろう。
これは、実体経済指数の一つである鉱工業生産指数で見ても同様である。
20200804c
で、株価は業況感に沿った戻りをしている。
こうして、株価と実体経済の乖離も起きている。
業況感が将来の期待を織り込んだものであれ、何か変だ。
たぶん、経済は元と違った形で回復(成長)していくということだろう。