Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

2022年01月

小型株投資に興味がないので、よくは知らずに書いているが、
まず、小型株指数はあてにならない。
特定の銘柄に左右され、小型株指数は指数として体をなさない
マザーズ指数などは、かつてはミクシィ、今はメルカリか?

仮に、TOPIXがトヨタに左右されるなら、そもそもトヨタは日本経済を代表する企業であり、それは日本経済を反映しているであろう。
しかし、ミクシィがマザーズ指数を支配しては、その指数にどんな意味があろう?

遠い昔のことで、よくは思い出せないが(不確か)、
JP Morgan Asset Mgtが運用する小型株ファンド「The Japan」がある。(未確認。そういう記憶がある。)
素晴らしいパフォーマンスだったと記憶している。
そのファンドマネージャーに聞いた話。(何度も言うが、確かな記憶はない。)

回転率が非常に高い。
普通、年金など運用していると、回転率が高すぎるのは、
売買コスト(手数料だけでなく、bid-offerの差なども含め)が嵩む。
銘柄選定に確固たる信念がない、
などとして、問題ありとみなされる。

にも拘わらず、回転率が高いのは、小型株の場合、人気が出た時は、随時処分をして利益を固めていかないと、人気が離散した時は、売るに売れず、売れば自分で自分の首を絞めることになりかねない。ということだ。

絵に描いた餅。企業の売上は物を売っても売り上げにはならない。売上代金を回収して初めて売上だ。貸付は、元利を回収して貸付だ。絵画の価値などはその最たるものだ。
では、株式投資は?株を売却して売却代金を得て初めて投資になるのか?
正確にはそうだが、トヨタなどの株はいつでも時価で売却できることがほぼ保証されているようなものだ。この場合は、売却して投資資金を回収しなくても、含み益も実現益も同じだ。

ところが、小型株の場合、含み益があっても、実際売却するまでそれはわからない。どんな価格で売れるか、売ってみなければわからない。なので、小型株の場合は、うまく売り抜ける技術が必要だ。

何を言いたいかと言うと、小型株の場合、売買技術が必要だということだ。
この技術を習得するのは難しい。机上では到底不可能だ。
私には無理だ。
JP Morgan Asset Mgtのファンドメージャーは知っている。回転率が高いと非難されようが、それがノウハウなのだろう。


JP Morgan Asset Mgtが運用する小型株ファンド「The Japan」
そんなファンドがあるのか、検索すればすぐにわかるのだろうが、面倒fだし、調べ始めると時間もかかるので、調べない。

言いたいことは、小型株の運用には、特殊な技術が必要だということだ。それだけ。






































基本的に、相場のことは同タイトルの
Kecofinの投資情報 - GogoJungle に書いています。
有料サイトなのですが、誰でも見られるところもありますので、興味があればご覧ください。

最近の記事は、

定点観測 各国5年国債利回り 2022年1月29日 16:35公開
20220129d

定点観測 為替レートと金利差 2022年1月29日 17:09公開

円/ドル ユーロ/ドル 先物投機筋ポジション ユーロには注意 2022年1月29日 21:25公開

米国株相場(S&P500)の見方 (2) 注目のISM指数 2022年1月30日 10:56公開















私は、個人としては、基本的に個別株は買わないことにしている。
二つ理由がある。
一つは、時として値動きが激しすぎることだ。
東京電力の株価は、大震災の時、あっという間に六分の一になった。不測の事態とはいえ、激しすぎる。東芝もリーマンショックの時は五分の一になった。
もう一つの理由は、こちらの方が重要なのだが、自分が知らない情報をもった投資家がいるということである。
やっぱり、皆が知っていることは自分も知っていなくては、投資はできない。
特に中小型株がヤバい。トヨタのような企業については、特定の投資家だけが一般に知られていない情報をもって投資が行われ、株価が形成されるようなことは、まずない。しかし、中小型株では、往々にしてある。

東証2部に上場するリスクモンスター(リスモン)という企業がある。筆頭株主でもある東京商工リサーチから企業情報データを得て、一般に販売している。私も個人で利用していたことがあり、注目していた。遊びで、株を買おうかなと思ったこともある。

リスクモンスター株価チャート

しかし、株価を見ていると、不思議な動きをする。誰かが高値で売りたがっている。自分が売り切るまで、株価を煽っているかのようだ。価格維持にも気を使っている。特定の投資家が相場を操っているかのように思えて、手がでなかった。

そして、突然、東京商工リサーチが業務提携を解消することを発表した。当然、株価は暴落。大部分の投資家にとっては、話が違う。何が起きたのか皆目見当がつかなかった。

Yahoo!ファイナンス掲示板

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大株主のTSRが「リスクモンスター切り」の真相
リスモンが構造的に抱える経営リスクが破裂。 7千社を超える会員の動揺は容易に収まらない。
FACTA 2022年1月号 BUSINESS

雑誌FACTAの記事に説明があった。
(何でFACTAに取り上げられたのか?面白い雑誌だ。)

なるほど、そういうことか。
しかし、そういうことを知っていて、行動している投資家がいたと思う。インサイダー情報とは言えないが、わかっている人はわかっていたはず。そして、小型株では、そうした関係者で相場がある程度作ることが可能なことだ。

そんなことはつゆ知らず、リスモンの株を買う投資家の、何と間抜けなことよ。だから、私は中小型株には手を出したくない。

機関投資家はいい。機関投資家の場合は、最低でも30銘柄は保有するだろう。通常は100銘柄以上だ。それだけあれば、分散されるので、1銘柄の振れでショックも大きく無い。それに、ネガティブショックだけでなく、ポジティブショックもあるので、恐れることはない。















FRB、3月利上げ示唆 「まもなく引き上げるのが適切」: 日本経済新聞

今回のFOMCで、利上げ幅や、スケジュール、ペース、FRBのバランスシートの縮小、その開始タイミングなどなど、柔軟性は残されているが、とにかく、利上げは行われ、バランスシートの縮小も行われることははっきりした。

今回のFOMCで多少のサプライズは、バランスシート縮小のタイミングが考えられていたより早まりそうなことだ。これを受けて、金利上昇、ドル高、株価下落が起きた。

excess money(経済が必要とするマネーの量を超えた分)を見てみる。
excess moneyには二つの計量方法がある。

(1)M2の前年同期比増加率-名目GDPの前年同期比増加率
M2は昨年12月まで、GDPは9月までのデータが発表されている。
20220127a

(2)M2の前年同期比増加率-(鉱工業生産×生産者物価)の前年同期比増加率
M2、鉱工業生産と生産者物価GDPは昨年12月までのデータが発表されている。
20220127b

で、量的緩和の縮小=資産購入の減額⇒3月初旬には資産購入を終える⇒利上げ開始⇒保有資産を減らす量的引き締め(QT(Quantitative Tightening)) を想定して、今後のexcess moneyを推量すると、

以下は有料サイトへ
米国 量的緩和の縮小・引き締めの株価への影響 - Kecofinの投資情報 - GogoJungle

excess moneyが縮小すると、いわゆる”カネ余り”の反対が起きる。
これまで、カネ余りがPERを押し上げてきたが、今度はPERの押し下げが起きる。
現在(2022年1月26日)、S&P500の(会計ベースのEPSに対する)PERは22.4倍だが、17~18倍にまで低下する可能性がある。
株価=PER×EPS だが、PERは20%以上株価を押し下げる可能性があるということだ。

株価の見通しは、その他の方法もあり、以上が全てではない。しかし、excess moneyの縮小は株価の大幅下落につながりそうだ。





・日本株価は、業績に比べ割高な時代が続いたが、2008年ごろからそれはようやく修正された。
・株価はEPSとPERの積である。EPSは業績である。PERは通常、金融状況を反映して上下するが、日本では硬直的で、概ね14倍程度に固定されている。つまり、株価はEPS×14 ということになる。

現在の状況は、次の通り。
20220124b

現在、TOPIXは1927.18、向こう12カ月のEPSは136、PERは14.17。殆どフェアバリューである。予想EPSが正しければ、PER14倍を多少はオーバーシュートして割り込むことはあろうが、下げ余地はそれほどないことになる。

では、EPS予想は正しいのであろうか?

EPS予想は、日経新聞のデータをベースに推計している。日経新聞のデータは、基本的に企業の発表データである。

推計するときは、為替相場(実効為替相場)の前年同期比予想、米国ISM指数予想、ベースメタル価格予想、日本のGDP予想などを勘案している。特に重視しているのは、為替相場(実効為替相場)の前年同期比予想、米国ISM指数予想である。

今のところ、円安、ISM堅調ということで推計しているが、米国経済に調整があれば、当然、日本企業の業績予想も変わってくる。2022年度は減益ということもあるだろう。

そうなると、株価予想も変わってくる。下値メドも下方修正される。日本の株価予想には、企業業績、とりもなおさず、グローバル経済動向の予想が重要である。

参考
20220124c


以上は、予想EPSから株価にアプローチしたが、マクロべースでのアプローチもある。

これだと、下値メドは大きく違ってくる。

以下は、有料サイトへ
日本株は(下げるとすると)どこまで下げるか? - Kecofinの投資情報 - GogoJungle











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