Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

2021年07月

我が家の電気使用量のグラフを作ってみた。

我が家では、暖房含み温める方は専らガスを利用している。
冬にわずかにエアコンを使うが、他の電気使用量は比較的安定している。
なので、電気使用量の変動の中心は冷房だ。

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電気使用量のピークは、7日移動平均で、昨年は8月16日までの7日間だった。

オリンピックって、殆ど最悪のタイミングで開催しているようだ。

それを今更責める国もあるようだが、本当に今さらと思う。
十二分にわかっていたことで、マラソンを札幌に移したくらいだ。
それに、どうしてそうなったのかもわかっているはずだ。
今頃、何を言っているのかと思う。

影響力の強い国。それは、
・国際的なルール作りの先導国。
・基軸通貨国(金融政策を通じて世界に影響を及ぼす)
・軍事力の強い国
などであるが、実は輸入金額が大きい国の影響力も大きい。
GDPの数値はごまかせても、貿易金額は相手があるので、ごまかしがききにくい。そういう意味でも貿易金額は重要で、信頼できる。

高度に自給自足が高い国(そんな国はない)でなければ、経済発展は輸出に依存することになる。
外貨が必要だからだ。
その意味で、輸入をしてくれる国は重要だ。

輸入金額の大きな国はどこか?
勿論、米国である。
しかし、中国が猛烈なスピードで追い上げ、月次季節調整値では2021年4月に米国を追い越した。
つまり、経済を中国への輸出に依存している国が多いということだ。

輸入金額が大きいということは、それだけ資金があるということである。
中国の資金の源泉は米国への輸出である。
皮肉にも、米国は中国から輸入して中国に資金を提供し、中国はその資金で各国から輸入して力を誇示している。中国の力の源泉は米国である。
中国を弱体化させたいなら、米国企業が中国からの輸入を控えるだけでいいのだが、中国と違って米国企業は自分のことしか考えないから、そんなことは起きない。

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なお、日本はプラザ合意以降、企業は海外進出することにより、経済成長を輸出に依存しない方向に舵を切っている。


<参考>
ナイロビ新幹線を中国企業が受注した驚愕の理由 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース


NHKオリンピック番組で女性解説者が『ブラウン管を通じて見ている人・・・』って、そんな人いないって!

さて、雑誌FACTA2021年8月号は興味ある記事が多い。
(ネット配信はFACTA ONLINE


ニュース・情報について、
(A)ニュースは基本的に、スクープも含め公開された情報の中で、変化があること、普通でないこと(太陽が東から昇ってもニュースにならないが、西から昇ればニュースになる)である。情報は、そこに教養、知恵、知識が加わる。
(B)ジャンルで分けると、①政治・経済・産業・社会、②生活、③エンターテイメント

で、微妙なのはゴシップ、スキャンダル。
ゴシップはみんな大好き。ネットでも雑誌でも、スポーツ紙でも話題になる。
しかし、汚職を除くスキャンダルは見ることが少ない。

FACTAは私から言わせれば、そういう内幕物短編集(ショートショート)。
内幕物に関心のある人にとっては、数少ない情報源だ。

FACTA2021年8月号。記事数は33くらい。FACTAはネットもあるが、ネットでこれだけの量を読む気はしない。
そもそも、FACTAに限らず、私はネットで長い記事を読む気になれない。ネット配信では、何ページにもわたることがあるが、みんな読んでいるのだろうか?
例えば、現代ビジネス | 講談社
興味ある記事が時々あるが、読みにくいこと甚だしい。そして、何ページにもわたる。記事を読んでいるより、Nextをクリックしているほうが時間がかかる。

そういえば、wikipedia;ー 『98%の人が寄付をせず見て見ぬふりをします。 日本からのアクセスが最も多いですが日本からの寄付金額は一番少ないです』
最近は米国の情報サイトはBloombergなどなど有料だらけ。でも、Bloombergの日本サイトは有料になっていない。
日本では、情報は無料、空気のようなものとみなされているようだ。結局、現代ビジネス | 講談社も広告で収益を挙げるしかないので、多ページ、読みにくいということになるのだろう。

話はFACTAに戻って、FACTAは実質広告がない。雑誌はコンパクトに編集されており、読みやすい。
読みたいとき読めばいい。ネットは、見た時に見ないと、どこかへ行ってしまう気がする。

で、8月号だが、つらつら書くと(私の興味と一般の興味は違うようだが)

■「コロナ後」厚労省を見切る大量離脱の怖れ 
政治の下請け化した霞が関はダイナミズムを失った。
私は、官僚寄りではないが、これは考えなくてはいけない問題だろう。

■「楽天ボケ」解けぬ「郵政増田」
増田寛也さんの郵政社長は適任だと思ったが、郵政には民営化企業としては不安だ。商社出身者が経営陣に必要だと思った。

■「防衛と原発」東芝は国有化される
東芝という会社がどういう会社かよくわかる

■「菅様のNHK」
NHKは情報がしっかりしていて、私は好きである。しかし、この記事の内容も含めて、不満の多い放送局である。NHKのありかたを再確立してほしいと思うが・・・・

■軍事侵攻より怖い「台湾有事」
ワクチン調達問題から、中国本土は台湾を意のままに操るだろうという記事。テリー・ゴウがでてくる。短絡的な内容だが、他のマスコミでは見ない内容だ。

■「新聞を最も愛読した世代」の終焉
かつては、新聞関係の記事はFACTAの名物記事だった。これからも定期的に更新してほしい。
人が減り、若者が新聞を読まなくなり、ネットが主流になる。テレビも似たような問題を抱えている。黒電話がなくなったように、フィルムカメラがなくなったように、ブラウン管テレビがなくなったように、それは自然な動きなのか?

■「K2審議官」荒井が商務政策局長の真相
■経産次官逃した「新原」飼い殺し
どちらの記事にも新原氏の昇格のことが出てくるが、その背景が記事によって異なる。
どちらもそれらしく思うが、どちらも違う気もする。

■東北の悪事に懲りない「鹿島」
今でも、こんなことやっているんだという感想。

■ロッテ新社長「玉塚は何も知らない」
玉塚さんて、ピエロみたいに思えてくるが、それなりの役職を続けているところは偉いと思う。
何の功績もないように思うが、自分の生活は楽しんでいるようだ。よくわからないが、勝ち組だろう。

■「土俵の夢」潰す朝乃山厳罰
私も、この記事を書いている人に激しく賛同。

■前代未聞!東京理科大「悲しき学長不在」
日大やら、旭川医大、東京女子医大やら・・・・・
大学の問題が多すぎやしないか?

■大儲け「民間PCR」東亜産業の素性
これは大きな問題のような気がするが?
これこそ、FACTAだけでなく、マスコミ全体が取り上げるべき問題と思う。

まだまだあるが、疲れたので、ここまでにする。
■惨憺!亀田病院「兄弟粛清」の嵐
■中京銀行「希望退職募集」の衝撃
■起こるべくして起きた経産キャリア「給付金詐欺」
等など

夏の暑い日は、クーラーの効いたリビングかスタバでゆっくりFACTA。








起きたことはわかるが、FRBの金融緩和不変の中での先行きが読みにくい。
buy on dips を言う人も多い。


きっかけは、
■新型コロナデルタ型感染拡大(世界的)
行動規制が強まる可能性

■米小売売上高 急減速の懸念 (財政支援剥落)
小売売上高の急増は、あらゆる種類の物資(特に自動車ディーラーの在庫)不足につながっている。
しかし、小売売上高が減少すると、景気減速と物の不足解消でインフレが鎮静化する。
但し、さらなる金融緩和は物理的に期待できないので、株安、長期金利低下につながる

■中国 GDP 今後減速の懸念

■米中問題
アメリカ 香港で事業展開する企業に注意文書 中国の監視リスク | 米中対立 | NHKニュース

バイデン米政権、在香港の米企業に高まる事業リスクを勧告、米国の法令順守を呼び掛け(中国、香港、米国) | ビジネス短信 - ジェトロ

米、香港進出企業にリスク警告 民主主義弾圧で中国人7人に制裁 | ロイター

ウォール街に衝撃、香港リスクを米政権警告-戦略再考促す恐れ - Bloomberg

米国と同盟国、マイクロソフトへのハッカー攻撃は中国政府関与と非難 - Bloomberg

マイクロソフト、中国拠点の国家ハッカーがサーバーに侵入と警告 - Bloomberg

米、中国人4人を起訴 世界的なサイバー攻撃に関与と非難 | ロイター




米経済減速
企業業績軟化
金利低下(世界的に)
株安
原油安
コモディティー安
(金価格?)
資源国通貨安
円高
ユーロ 明確な理由に乏しいがポジション調整でやや軟化
イギリスの感染症再拡大は最悪












ワクチン接種の混乱
国のワクチン入手スケジュールについてはわかっているとする。
どこへ、どれだけ発送したか、という供給サイドの情報は把握できているだろう。
問題は、需要サイドである。
どこで、どれだけ利用されたか、
どこで、どれだけ必要になるか、
が把握できていないようだ。

接種を受けようとすると、いくつかの手段がある。
・個別接種(医療機関での接種)
・地域の集団接種
・大規模接種
・(これは私には関係ないが)福祉施設等従業者向け優先接種
・職域接種(取引先従業員や同居親族枠もある、その他にも、調べれば、ありそうだ。)
全員接種希望と仮定して国民全体の需要はわかっていても、どこで、どれだけ必要になるか予想は極めて困難だ。
接種希望者がどれを選択するかわからない。
地域の集団接種を予約していても、大規模接種の方が早く接種できそうだとなると、乗り換えすることもある。逆に、大規模接種を予約していても、個別接種の予約が取れたので、多少遅くなっても近い方がいいという人もいる。乗り換えてもキャンセル手続きはしない人もある。
集団接種も会場を選択できる。(自分の住んでいる地域でなくても可能ではないか?)
個別接種がまた難しい。あちこちの病院を訪ね回ることになる。

結論を言うと、選択肢が多いのはいいこととは限らない
供給サイドも需要サイドも迷うだけである。
特に、職域は最悪である。窓口が五万とある。
官邸のサイトを見ると、『詳細については、以下の各省庁のHPもご参照ください。』とあり、厚労省、経産省、農水省、金融庁、国交省へのリンクが貼ってある。厚労省の職域接種に関するお知らせの「相談窓口など」は窓口が多すぎる。

また、フリーライダー(ただ乗り)行動の問題も発生しやすい。負担をしなくてもサービス受けられるならば、サービスを過大に需要する。この結果、ワクチンが過大に供給される。

さらに、供給の複雑化(多様化)は情報過多を起こす。
・携わる部門・人が多くなり、供給サイドに余計な時間を掛けさせている。
・需要サイドは、見始めると(検索し始めると)きりがない。これは時間の無駄そのもの。

よくは知らないが、コントロールタワーが変わったか、不明瞭である。
当初は厚労省がメインだったようだが、途中から官邸に代わったのではないか?
新型コロナワクチンの接種実績報告も、『※4月12日以降の接種回数などについては、首相官邸ホームページをご覧ください。』となっている。
接種に対する取り組みに一貫性がないのではないか?と思う。

以上のように、今回の混乱は接種方法の一貫性のなさ、多様化にあると思う。
接種券の発送とともに、「あなたの接種日時、接種会場は次の通りです。希望しない場合、都合がつかない場合は、連絡ください。」としてしまえば、最も効率がよかったと思う。
これなら、利用者も迷うことはなく、供給者も状況の把握が容易で、結局、最も早く接種が進んだと思う。








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