Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

2021年04月

何が変かって、3月までは米国株とも独株とも連動していたのに、3月の配当落ち日以降、日本株だけが下げに転じている。何が起きたのだろう?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日本株
何が変かって、3月までは米国株とも独株とも連動していたのに、3月の配当落ち日以降、日本株だけが下げに転じている。何が起きたのだろう?
20210430q
20210430p

・日銀がETFを買わなくなった。
・中国株(上海総合など)が調整している。(但し、タイミングは少し前から)
・新型コロナウイルスの感染再拡大 再緊急事態宣言

そういうことじゃないだろうな。
米国についていけないのはわかるが、ドイツにもついていけないのは何故なのか?

28日引け後、ソニーは前期決算発表・今期見通しを発表して、今日、株価は7.71%も下げた。4月も大幅安となった。
前期決算はよかった。今期は、会計基準がUS GAAPからIFRSに変えるため、よくはわからないが、会計基準の変更を勘案しても、売り上げ増、減益のようだ。
この辺が4月に日本株相場を代表しているようにも思う。

とにかく、日本株の4月相場は何か変だ?
これから考えていく。


米実質金利の低下継続で、固有要因があるユーロや豪ドルは堅調である。しかし、円は固有要因に乏しく、反落した。為替相場は難しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

円/ドル
一時の熱狂は収まったが、依然、米国のインフレ懸念が金融相場の最大の材料だ。
従って、為替相場にとって、実質金利(=インフレリンク債利回り)が基本的な相場変動要因になる。

米国の期待インフレ率は依然強く、実質金利(=名目金利-期待インフレ率)は低下気味である。グラフでは右逆目盛。米実質金利低下に伴い、

ユーロは貿易黒字、経常黒字が拡大していることもあって、対ドルで堅調。
20210430a

Aussie(豪ドル)も、資源(銅や鉄鉱石など)価格が堅調で、対ドルで堅調である。
20210430b

円だけが、円高から足元で円安に転じている。
グラフの左目盛は逆目盛になっていることに注意。
20210430c
これは、米国の名目金利が低下したからだ。ユーロや資源通貨はそのようなことはない。
20210430d

円相場を決定づける他の要素(経常収支や資源価格など)に乏しいようだ。
日本は、基礎収支の黒字はコロナ禍による対外直接投資の減少にともない拡大しているが、インフレ懸念もなく(つまり、金利の先高懸念もなく)、固有要因が見当たらないということだろう。

<参考>
米国の期待インフレ率(向こう10年の予想インフレ率の平均)
インフレ率は総合。食料・エネルギーを除くコア物価上昇率ではない。
20210430e



株価は、通常、企業業績と金融政策で決まる。米国において、減益が予想されず、金融緩和の縮小も考えられなければ、株式相場の調整も考えられない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・米国株式相場において、弱気相場=大幅調整になるのは、通常、企業業績が後退=減益になるときだ。
・減益になるのは、通常、金融引き締め後になる。
・パウエル議長は、「緩和の段階的縮小の議論開始は時期尚早、経済活動がその段階に達するまで時間かかる、人々が活動を再開しても安全だと感じるまで経済の完全回復あり得ず」と言っている。
〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨 | ロイター
コラム:パウエルFRB議長が進める、前例なき金融政策運営 | Reuters
カナダ中銀との違い
パウエルFRB議長、市場の一部は「やや泡立っている」との認識表明 - Bloomberg
泡立ちの有無にかかわらず、近いうちに超緩和的な金融政策の縮小に動くことはないとの意向を明確にした

上記から導かれるのは「米国株は当分大幅調整はない」ということだ。
勿論、ノーリスクではない。
・現状株式相場はバブルであることは間違いない。不測の事態が起きれば、大幅調整の可能性がある。既に金融緩和・財政拡張は目いっぱいなされており、事が起きても金融・財政面での対処は難しいだろう。なお、不測の事態であるが、不測なので、何かが予想されているわけではない。
・一つ注意しなくてはならないのは住宅価格の上昇だ。持続的な物価上昇局面はないにしても、今の金融緩和を続ければ住宅価格高騰のリスクはあるだろう。
雇用回復が十分でない、インフレはおきていない、しかし、住宅価格バブルが起きたとき、FRBはどうするか?

(1)株価は足元の業績に比べ買われ過ぎている。金融緩和が理由である。しかし、株価が下落しなくても、今の株価のまま3年推移すれば、フェアバリューになるだろう。
20210429a

(2)株価は足元の業績に比べ買われ過ぎている=PERが高すぎるということだが、金融緩和を考慮すれば、全く不自然ではない。もっと買われ過ぎてもいいくらいだ。
次のグラフの点線は、株価は現水準で推移し、EPSは予想に沿って拡大していくと仮定したときの予想PERである。
20210429b

(3)次のグラフで、2021年以降のEPS伸び率は上記(1)のEPS予想に基づく。今のISM指数の勢いからは、EPSが予想以上になることも考えられる。
20210429c


日本郵政が2015年におよそ6,200億円で買収した豪州トール・ホールディングスを現地の投資会社「アレグロ」におよそ7億円で売却する。トールの業績は振るわず、郵政は17年3月期に4000億円を超える減損を強いられていた。(15年に6200億円で買って、2年後に4000億円の減損なんて、冗談のような話)
日本郵政 豪州不振事業を売却で特別損失674億円計上|TBS NEWS
日本郵政の上場担当者が激白。なぜ6200億円で買収した豪企業を7億円で売る羽目に? M&Aの3大成功法則を無視するお粗末経営=栫井駿介 | マネーボイス

日本企業は概して海外企業の買収が下手だと思う。要は、被買収企業の評価ができないからだ。
買収には投資銀行のアドバイザーを採用する。確かに、彼らは、シナジー効果や買収先企業のプロジェクション(仮定に基づいた企業の財政状態や経営成績の予測)、企業評価(買収価額)を丁寧にしてくれる。
しかし、彼らは買収がより高い価格で成立することが目標である。なぜなら、アドバイス料が高くなるからである。
そんなこととは知らず、問題は、買収企業(今回の場合、日本郵政)がアドバイザーの作る資料の評価ができないことである。資料をほとんど鵜呑みにしてしまう。本当によくできた資料だし、買収したいという気持ちがあれば、そうなってしまう。
私でさえ、資料を先に見てしまうと、そうだと思ってしまう。
資料を見る前に、自分である程度の目安を作って、それと比べながら読まないと、鵜呑みにしてしまう。

アドバイザーの情報を評価できる人(利害関係のないアドバイザー)が必要だが、そういうアドバイザーの存在はあまり聞かない。

1980年代後半、私がロンドンで欧州株のファンドマネージャーをしていたころ、アナリストミーティングに行くと、いつも、後ろのほうに日本人が二人遠慮がちにいる。気になっていたが、あるとき、野村ヨーロッパ主催のレセプションで彼らを見かけたので話しかけてみたら、日本たばこ産業財務部の人だとわかった。海外企業の勉強に来ているらしかった。
つまり、上記のアドバイザーの情報を評価できる人を自前で作っているということだ。今はどうなのかは知らないが。

今、日本には外株のファンドマネージャーはいなくなった。かつては、私も含め相当数いた。
1990年代に、厚生年金連合会がバランス型運用委託をやめて、資産配分はプランスポンサーが決め、運用委託は資産ごとにするように指導を始めたからだ。
外株運用の委託先の選別については、体制(外株のアナリスト数、海外拠点など)が重視されたが、日本の運用会社が海外の運用会社にかなうわけがない。
かくして、日本には外株ファンドマネージャーはいなくなった。(パッシブは除く)

そうなると、日本人で、上記のアドバイザーの情報を評価できる人がいなくなったということだ。
日本の証券会社の外株の情報提供も限られたものになった。個人向けに、やっているだけだ。

何か、残念な気がする。

2006年に、日本板硝子は英ピルキントンを6000億円で買収した。
このニュースを聞いたとき、「チョット待ってよ。事前に私に相談してほしかった。」と思った。
かつては、私の好きな銘柄だった。かつてはね。FTSE100に入っていたと思う。企業訪問もしたことがある。アナリストミーティングにも出ていた。
日本板硝子についたアドバイザーはどこだか知らないが、米系の投資銀行ではないかと思う。

以上、取り留めもなく書いてみた。

【悲報】ファイザー元副社長イードン博士「ワクチン打つのはやめとけ茶番やぞ」:哲学ニュースnwk

面白いので、上記の転載
但し、この手の話はフェイクが多いので、そのまま信じたら馬鹿を見る。

2021年04月24日
・ワクチンが「抗体依存性感染増強」を引き起こす可能性がある
・ワクチンはヒトの胎盤形成に必要な、「シンシチン・ホモログ・タンパク質」の抗体を生成するため、不妊症を引き起こす危険性がある
・実験期間が短すぎるため、後発する副反応の評価ができない

・新型コロナ、変異種は存在しない
・PCR検査は水やコーラでも陽性になるデタラメ検査である

・この騒動を起こした支配者層の目的は経済を破壊し社会を分断しワクチンパスポートで管理社会を作る事である
・政府・政治家・メディアは全部支配者層の仲間
・このコロナ茶番の真実を世界中の国民が知れば今すぐ普通の生活に戻れる

その他同様ブログ記事
『必要ない。危険。』とファイザー社元副社長マイケル・イードン博士が訴える理由
ファイザー社元副社長マイケル・イードン博士が『必要ない。危険。』と訴える理由 | 海外で暮す日本人のための

7057_vga





↑このページのトップヘ