Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

2021年03月

3月23日時点で、円/ドルはショートが急拡大、ユーロ/ドルはユーロ安方向だが、ユーロ・ロング解消にはためらいがあるようだ。豪ドル/ドルは全く方向感がない。
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円/ドル
ショートが急速に拡大している。方向は円安。
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ユーロ/ドル
方向はユーロ安だが、ユーロ・ロング解消にはためらいがあるようだ。
私は、これはユーロ圏の経常黒字が拡大しているからだと思っているが、ドルを嫌いなのかもしれない。決済通貨としてのユーロの地位が高まりつつあることも理由だろう。
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豪ドル/ドル
全く方向感がない。
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3月の非農業部門雇用者数は60万人程度の増加を予想している。以前は、非農業部門雇用者数が前月比で20万人や30万人増加となると、すわ利上げかとなっていた。ましてや、50万人とかなると0.5%の利上げか、と思われたものだった。しかし、今は違う。
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通常、金融政策は政策金利に現れる。
政策金利の上昇は、株式PERの低下を招く。
なので、金融政策は注目される。
金融政策を決めるのは、物価と雇用だ。
計数的には、PCE価格指数(又は、消費者物価指数)と雇用統計(非農業部門雇用者数と失業率)を見る。

で、過去は非農業部門雇用者数が前年比175万人(月当たり15万人程度)増加すると、政策金利FFレートを前年同期より高くしていた。なので、非農業部門雇用者数が前月比で20万人や30万人増加となると、すわ利上げかとなっていた。ましてや、50万人とかなると0.5%の利上げか、と思われたものだった。
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しかし、今回は違う。FRBはCOVID-19パンデミック前の水準を回復してこないと利上げしないと言っている。これはリーマンショックの時と同じ措置だ。
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2月時点では、非農業部門雇用者数はCOVID-19パンデミック前の水準に比べ▲8,345千人(事業所調査ベースでは▲9,475千人)。これでは、毎月当たり平均して300千人雇用者数が増加すると仮定すると、非農業部門雇用者数がCOVID-19パンデミック前の水準に戻るには30カ月(2年半)程度かかる。つまり、利上げは23年秋~24年春ということになる。

4月2日に発表になる3月の雇用統計では、私は非農業部門雇用者数前月比増加数は600千人と予想しているが、この調子で雇用が増加しても、15か月程度はかかる。

というわけで、当分利上げの可能性は殆どない。
市場は、もう一つの金融緩和政策=量的緩和の縮小について考えている。
数量的には、Fedのバランスシート、M2伸び率だ。
<参考>
Credit Easing: Latest Data Federal Reserve Bank of Cleveland
Monetary Aggregates - Yardeni Research Page 4 Figure 7


量的緩和の縮小があれば、これもPERの低下につながるだろう。
というわけで、FedのバランスシートとM2伸び率を市場が注目している。
Fedのバランスシートの縮小はFOMCで決定されるので、FOMCに注意していればいい。
M2についてはデータを見ることになるが、実は、Fedは週次データの発表を1月データを最後にやめた(正確には、非季調値を月次データと同時に発表する。これでは速報性はない)。
2月のデータが、3月23日に発表された。



日本株相場は、海外投資家と証券自己の買いで決まる。最近は、証券自己の買いが大きくなっている。自己≒海外投資家の先物買い+日銀のETF買い+その他 であるが、その他が大きくなっている。つまり、その他が日本株相場を押し上げている。
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東証発表の3月第3週(15日~19日)の投資部門別(日本株)売買動向では、
海外投資家は4088億円の買越。先物で1543億円の買越。
証券会社の自己は6081億円の買越。
個人は3186億円の売越。
年金基金資金を扱う信託銀行は2222億円売越。
投資信託は2621億円の売越。これは過去最大だ。
20210325a

重要なのは海外投資家と証券自己だ。両者の合計が相場を決める。
両者の合計がプラスであれば相場は上を向いているし、マイナスであれば下落方向を向く。
20210325b

3月第3週までの13週(=3カ月)での自己の買越額は過去最大になった。
これが相場を押し上げている。
自己≒海外投資家の先物買い+日銀のETF買い+その他
であるが、通常は「その他」はそれほど大きくないが、今回は異常に大きい。
前回も書いたが、この「その他」が日本株相場を押し上げていると言っていいだろう。
20210325c

残念ながら、「その他」の正体がわからない。
日銀によるETF購入は激減しているが、この謎の「その他」がその代わりになっている。
逆に言えば、謎の「その他」が日本株を大量に買っているので、日銀の出番がなくなっているともいえる。
20210325d

大いに興味をそそる謎の「その他」




原油価格、今度は上昇-投資家がスエズ運河航行不能の影響を見極め - Bloomberg
スエズ運河 愛媛の会社所有のコンテナ船座礁 他船舶航行できず | 事故 | NHKニュース


話は変わるが、フジ、日テレも外資20%超 総務相「確認する」
これは困ったかな? その昔、私が外株ファンドマネージャーだった時、外資規制の銘柄を買うときは冷や冷やしていた。上限を超えると強制的に売らされたり、その結果株価が下落したりとか・・・買っても名義の書き換えをせず、株を保有しているのやらしていないのやら不安定な状態だった時もある。
それって、どの銘柄だったか思い出せないが、ロイターもそうじゃなかったかな??というかすかな記憶もある。


Markitの3月PMI速報値が出ている欧州も、米国もさらに強くなったようだ。
ドイツ 製造業購買担当者指数
ドイツ サービス業購買担当者景気指数
独製造業PMI、3月速報は66.6と過去最高に サービスも50超え | ロイター
しかし、ドイツがロックダウンを4月18日まで延長、イースター休暇の5日間は自宅にとどまるよう要請したのは、この調査の後だ。

ところが、メルケル首相は24日、その発表した計画を撤回した。
「ロックダウン強化」を1日で撤回 メルケル首相が謝罪 ドイツ | 毎日新聞

「2月の米耐久財受注は市場の予想に反して減少」というニュースもある。
2月の米耐久財受注1.1%減 10カ月ぶりマイナス: 日本経済新聞
米耐久財受注、2月は昨年4月以来のマイナス-コア資本財も減少 - Bloomberg
米耐久財コア受注、2月は10カ月ぶり減少 設備投資に減速の兆し | ロイター

まぁ、そうなんだけど・・・・という程度の話だ。
20210324v


昔のコモディティーのトレーダーじゃあるまいし、こんなニュースにいちいち付き合っていたら、まいってしまいそう。

銀行や保険は米国金利との連動性が高い。今日の日本株相場は全面安なんだけど、昨日今日の銀行株の下げは米国金利の低下を反映しているようだ。

今日の相場の下げは、欧州の新型コロナウイルスの感染再拡大・ドイツのロックダウンが背景にあるが、香港やミャンマー、米中対立の激化もあるだろう。特に、アジア株が嫌われていそうだ。

米中対立はバイデン政権でも激化必至、世界経済へのダメージはコロナより深刻? | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
・米国・EU・英国・カナダが22日、対中制裁発表
・米国は17日、香港自治法に基づく制裁を発表
・18日、米中会談は非難の応酬
株式市場の関心は、新型コロナウイルスから米中対立に移っていくと考えられる

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今日(3月24日)の日本株相場は、まぁ全面安なんだけど、銀行株の下げについて。
どの銀行でもいいけれど、株式会社三井住友フィナンシャルグループ (8316)を例にとる。

銀行や保険は金利との連動性が高い。

以前は、対TOPIX 比と日本金利との連動性が高かった。
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そして、2016年11月9日米大統領選でトランプ氏勝利が伝えられるまで日本金利と米国金利は連動していたので、上記は、米国金利と連動性が高かったとも言える。
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その後は、どういうわけか、市場との相対ではなく、株価そのものが米国金利と連動するようになった。それも、(5年や10年金利とも連動するが、)30年金利との連動性がより高い。
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で、直近部分を拡大すると、
(直近だけなら、10年も30年も同じなので、10年を使う)
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昨日今日の銀行株の下げは米国金利の低下を反映しているようだ。

最後に、銀行株と生保株の動きとは似ている。
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