Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

2021年01月

全体感は次を参照
誰が米国株を買っているか

で、それをよ~く見ると、昨年7-9月期には個人(家計)の買いが急増し、最大の買い越し部門になっている。2009年4-6月期に次いで、史上2番目の買越額だ。
過去は、こうした大きな買越額の後は大きな売り越しに転じているが、今回は勢いが続いているかもしれない。

こうした個人が結束し、ヘッジファンドの空売りを締めあげたのだろう。
そもそも、空売りは基本的に発行株数が上限である一方、買い方は無限に注文を入れられるので、資金があれば、買い方が勝つに決まっている。

昨年の米国株高は個人が作ったものだろう。
日本の個人投資家も、日本株はそっちのけで米国株に興じているようだし。

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データは米国資金循環統計より。次回の発表はhe second week of March。


転載  米金融界を混乱させた人気投稿サイト「reddit」の取引コミュニティとは何か


アメリカで人気の投稿サイト「レディット(reddit)」の株取引コミュニティー「WallStreetBets」が、アメリカの金融界に混乱を巻き起こした。
「WallStreetBets」(またはWSB)では、350万を超えるユーザーが、投機的な投資アイディアや戦略を話し合っている。

昨年9月29日、ハンドルネーム「Player896」を持つレディットのユーザーがこのチャンネルに「Bankrupting Institutional Investors for Dummies, ft GameStop(サルでも分かる機関投資家を破産させる方法、ゲームストップ編)」というタイトルの記事を投稿した。

Player896はその中で、主にビデオゲームやゲーム機を販売する実店舗を持つ小売大手のゲームストップ(GME:GameStop)について強気の主張を展開した。伝統的な紙メディアからデジタルへの移行と、新型コロナウイルスのパンデミックにより、同社の株は2015年11月以来、値下がりを続けていた。

Player896は当時、自身が投稿したメッセージにこう記している。

ゲームストップの「帳簿は磐石」であり、Chewyの共同創業者兼CEOのRyan Cohen氏がおよそ7600万ドルを使って同社の株を12.9%獲得した。にも関わらず、多くの機関投資家は当時、ゲームストップの株を大幅に空売りしていた。個人としてはアップル社の最大株主であるコーエン氏は1月11日に、ペットの健康用品企業である自らの会社の元同僚2人とともに、ゲームストップの取締役会に加わり、株価は50%も高騰した。

コーエン氏が取締役会に加わり、株価が回復し始めた後も、一部のヘッジファンドやその他の機関投資家は、ゲームストップの株を空売りし続けた。これはおそらく、大口プレイヤーたちによる、アマチュアトレーダーを力技でねじ伏せ、パニック売りを誘発しようとする試みであった。

WSBのレディットコミュニティーは、ウォール街の金融エリートに抵抗するチャンスと見て、大規模な「ショートスクイーズ」を起こし、空売りしていた機関投資家が慌てて買いに走るよう画策した。

ショートスクイーズは複雑そうに聞こえるかもしれないが、実際には比較的シンプルなプロセスだ。機関投資家が株を空売りする場合、実際に彼らが行なっていることは、価値が下がると考えている多くの株を借りて、可能な限り高値で売り、より低い価格で買い戻そうとすることなのだ。成功すれば、最初に借りたものを返して、残りを自分の利益とする。

株価が上がると、空売りトレーダーは損失を出して株を買い戻すことを余儀なくされる。株価が短期間で劇的に高騰すれば、壊滅的な損失を被ることもある。さらに、空売りトレーダーはショートスクイーズが発生したときに、株を買い戻すことを余儀なくされるため、そのことが株価をさらに押し上げることにつながる。

実際、米ヘッジファンドのMelvin Capitalや、Citron Researchは、WallStreetBetsの一群によるショートスクイーズの影響を受けた。大手ヘッジファンドのCitadelとPoint27はその後、メルビン・キャピタルに対して27億5000万ドルの緊急援助に乗り出した。

ゲームストップの株価は9日間で、19.79ドルから380ドルへと1800%以上高騰した。コーエン氏が保有する13%の株式はいまや、25億ドル(約2612億円)の価値がある。

電気自動車テスラのCEOで、世界一の富豪と言われるElon Musk氏は、インターネットのミームによって人気となった「stock(株式)」を故意に間違えてスペリングした言葉、「Gamestonk!」という言葉でツイートを行って支持を表明し、火に油を注いだ。

WSBの影響はゲームストップに留まらず、大幅に空売りされていた他の株にも波及した。BlackBerry、AMC、Nokia、Bed Bath & Beyondは27日、それぞれ24%、310%、70%、46%の値上がりを記録した。

モバイル株取引アプリのRobinhoodと、Trading212はどちらも27日午前、アメリカ市場が開いて個人投資家が狂乱に加わろうと押し寄せた結果、一時使用が停止された。

この異例の事態に対して、世界で2番目に大きい証券取引所、NasdaqのAdena Friedman CEOは、同社はソーシャルメディアの監視を始め、新たにWSBが主導する高騰が検知された場合には、取引を一時停止するとコメントした。TD Ameritradeは、ゲームストップ株の取引を制限した。

WallStreetBetsのレディットチャンネルは27日、新規ユーザーが数百万人も加入してきたことへの対応として、一時非公開となった。メッセージングサービスの「Discord」も、相次ぐ差別的投稿や憎しみに満ちたコメントを理由に、WSBサーバーを禁止したと報じられている。

WSBのモデレーターは投稿の中で、「よく眠れない一夜を過ごすほどの時間で、我々は夢にしか見なかったようなサイズにまで成長した。あまりに多くのコメントや投稿が寄せられ、すべてを読むことと、モデレーターとしてそれらについて決定を下すことは不可能である」

米SF連銀総裁、株式市場抑制のために経済支援策を撤回すべきでない
(米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁)

この解釈には二通りある。
(1)Fedとしては、株式市場は上昇してほしくない。調整してほしい。
(2)Fedは経済支援策を撤回しないので、株を買うのに心配しないでほしい

経済が停滞(後退)する中で、経済支援策を打つのは適当だが、長く続けすぎると、資産インフレが起き、経済が回復した時、経済支援策を縮小すると資産バブルが破裂し、逆資産効果が起きる。その程度が大きいと、経済は壊滅的になりかねない。過度な資産インフレが生じないようにするのもFedの役目だ。

デーリー総裁は、株式市場のために経済支援策をしているわけではないと言いたいのだが、結果としてそうなっているのだから、もう少し踏み込んだ説明が必要だ。

菅氏が首相になったとき、その政策目標を見て、気になったのが、
「自助・共助・公助」
国の基本は「自助・共助・公助」。「自分でできることは自分でやる。」「自分でできなくなったら家族とか地域で支えてもらう。」「それでもダメであれば国が責任を持って守ってくれる。」そうした信頼のある国づくりというものを行なっていきたい。

何を意図しているのかよくわからなかった。
そうしたら、「最終的には生活保護がある」という発言だ。
新型コロナという異常事態のなかで、その対策のために生活を困窮させて、困ったら「最終的には生活保護がある」とは?明らかに生活保護の本来の目的とは異なる。

はるか昔、私が入社後、貸付審査に配属になったとき、サラ金(消費者金融)担当の先輩は、資料だけ見ていてもわからないと、実際自分でサラ金で借りてみて、返済遅延まで試してみていた。
菅さんには、自分でも生活保護を申請してみたらと言いたいが、そうもいかないので、せめて、その実態を十分に把握してほしい。

生活保護について、ネットで
あれ
これ
それ
と言われているが、私には本当の実態はわからないので、このことについては、特に言うことはない。

分かったことは、この人の頭には自分の思い付き(GoToやふるさと納税)しかなく、政策がないことだ。しかも、人の意見も聞かず、不都合な意見は握りつぶして、押し切ってやろうとする。
今回は、自分は知らないけれど、今の仕組みの中でみんなで助け合って勝手にやって下さいよ。ということだ。

唐突だけど、首相も国民に直接選ばれるような制度にしたほうが、国民のことをより考える首相が選ばれるようになるのではないか? あいまいな政策目標など許されない。


参考
新型コロナ対策、菅首相の「最終的に生活保護がある」発言の大きな落とし穴

1)ユーロ/ドル 投機筋のポジション 再掲

2)日本の貿易収支 原油を除くと黒字額減少傾向
  為替には基礎収支が最大の要素だが、原油を除く貿易収支は悪化傾向

3)誰が米国株を買っているか? 再掲
自社株買いは減少 (S&Pベースも)
2020年7-9月期、過去2番目の買い越し (最大はリーマンショック直後)

GME あほの遊び場(そう思っている方があほかもしれないが) ちょっと、様子見しよう

4)日本株と米国株(NY100)
昨年は外人が売り越す中で株価は上昇した。
日銀が株価を押し上げた(下支えした)
しかし、日銀が買ってなければ、外人は売らなかった。
売っても相場が上がるから、安心して売った。
自分で売って自分の首を絞めるようなことはしない。







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