Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

2020年12月

駄話 BioNTec どう発音するか
以前、テレビのニュース(たぶん、BBC)で聞いたときは、「バイオンテック」と聞こえた。
しかし、次のサイトで聞くと、「バイオエヌテック」が正しいようだ。
勿論、ドイツ語では「ビオンテック」だ。
Biontech 語 ドイツ でどう発音するか | HowToPronounce.com

ここから本題。
但し、これまでに書いてきたことで、目新しいことではない。

成長株がとんでもなく優位だった。
MSCI配当込指数で見ると、
20201230a
日本株指数は今年(12月29日まで)10.0%上昇した。
割安株(Value)指数は▲3.0% 成長株(Growth)指数は+23.7% だった。
割安株の主な銘柄は、トヨタ、ソフトバンクG(9984)、MUFG、KDDI、ソフトバンク(9934)など。
成長株の主な銘柄は、ソニー、キーエンス、任天堂、第一三共、ソフトバンクG(9984)など。
定義からソフトバンクG(9984)は両方に入っている。

割安株と成長株.の比の推移を見ると、
20201230b
日本ではまだ、valueのアンダーパフォームが続いているように見える。(11月で終わった可能性もある)

参考
7銘柄だけで上昇した今年の日経平均 7割はマイナス: 日本経済新聞
2020年の上昇株&下落株ランキング【全70銘柄】 ダイヤモンド・オンライン

で、米国株ではどうだろう。GAFAM効果。
20201230c
一応、7月頃より、valueのアンダーパフォームは終わっているようだ。

欧州(ユーロ圏)ではどうだろう。
ドイツとユーロ圏では違うかもしれないが、ここではユーロ圏で。20201230d
新型コロナ感染拡大による株価暴落後、valueのアンダーパフォームは終わっているようだ。

さすがの日本株もgrowth優位はそろそろ終わるような気がするが?
それがvalueへの期待が高まってならいいが、growthの行き過ぎの調整なら、相場は軟調になるかもしれない。


例によって、資金循環統計より作成

特段のコメントはない。
・FRBが量的緩和政策に沿って高水準の購入を続けている。
・今年4-6月期に、投信が激しく国債を購入している。リスク回避で買ったのだと思うが、投信による国債の保有残高が大きくなっている。低金利下で、この資金が他に回っていくのではないだろうか? 株価高騰の背景もこのあたりにあるかもしれない。
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20201228q
20201228r


米国の資金循環統計(The Fed - Financial Accounts of the United States - Z.1)より、米国株式の部門別購入状況、保有残高をみる。

(1)日本の東証「投資部門別売買状況」のようなベースになるデータがないので、かなりアバウトである。事業会社の四半期別購入額など見ると、適当に置いた数値であることは明白だ。
(2)Fedによって提供されている表(Federal Reserve Statistical Release)は季節調整年換算値であるが、株の売買データを季節調整する意味が分からない。なので、data download から原数値を入手して表を作成した。かなり面倒。試行錯誤して丸一日かかった。

■部門別米国株式純購入額
日本と違って特定のセクターが相場を左右することがない。事後的な需給では相場は測れない。
特段の特徴は見られないが、このところ、自社株買い(発行額のマイナス)が減っている。リーマンショック後にもこういうことがあった。業績悪化と株の割高感が強いことが理由だろう。
あと、目立つのは投信投信(Murual Fund+Closed-end+ETF)が売っている。今年7-9月期のMutual Fundによる売りは過去最大。
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■部門別米国株式保有残高
家計(個人)と投信の保有が大きい。そして、海外投資家の保有が増加してきている。
米国株の世界株式市場におけるパフォーマンスは長期的に上位にある。
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20201228c

以上、部門別の米国株式投資状況を見たが、相場判断には役に立ちそうにない。
一応、状況把握まで。


最初に、小田急が天国で東急が地獄と言っているわけではない。両方の株を持っている人なら、そう感じるかもしれないと思っただけである。
株主優待も関係して、小田急沿線の人は小田急株を買っている人がいるだろう。東急沿線の人は東急株を買っている人がいるだろう。

もうひとつ前置き、私は両方の企業や株価のウォッチャーではないので、必ずしも詳しくない。勘違いなどしているかもしれない・・・。

不思議なのは小田急株価である。
電鉄業界は運輸もレジャー・ホテル事業なども新型コロナウイルス感染拡大によるダメージを大きく受けている。そのなかで、どうして小田急株価はしっかりしているのだろう?
私は、今の電鉄株には、原発事故の電力株を思い出してしまうが・・・・。

小田急(9007)と東急(9005)、何かにつけて比較されやすいような気がするし、両者の実力も大差はないような気がする。しかし、株価は違う。
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20201224b

以下私の感想である。あくまで感想。
東急は社名を東京急行電鉄から「東急株式会社」に変えた。同時に鉄軌道事業は分離して「東急電鉄株式会社」として「東急株式会社」の子会社とした。
もはや、東急は電鉄会社でなく、不動産事業なども営むコングロマリットということだ。それを自ら宣言したということだ。
一般的に、電鉄会社は電鉄ビジネス(公共サービス)の信用力を背景に、沿線ビジネスを開拓しているが、東急はそんなもの(電鉄ビジネスに依存する信用力)は不要、電鉄はサテライトビジネスの一つだと考えているということだ。
対する小田急は伝統的なビジネスモデルを変えていないように思う。電鉄ビジネスに真摯だ。長く保有する株として安心感がある。もっとも、世の中は絶えず変化する。いつまでも今のビジネスモデルを続けられるかはわからない。非常に長期的には、変革は必要になるとは思う。

以上、今年予想しなかった出来事。小田急と東急の株価又裂き。

COVID-19 感染予測 (日本版) の公開について | Google Cloud Blog

COVID-19 感染予測 (日本版) 情報

使用したデータ
厚生労働省が発表している 新型コロナウイルス感染症陽性者数および死亡者数等
Google のコミュニティ モビリティ レポート
平成 27 年国勢調査結果
など

日本版モデルの開発にあたっては、使用データの包括性、予測結果と国内感染状況との整合性、さらに、モデルの設計及び予測データの検証において慶應義塾大学 医療政策・管理学教室 教授 宮田裕章先生および研究室の先生方に監修していただきました。

宮田裕章 先生からは以下のようにコメントを頂戴しています。
「この日本版 COVID-19 予測モデルを学術的な観点からも検証しました。あくまでも限られたデータからの予測であるという限界を正しく踏まえて活用することができれば、このモデルは日本のコロナ対策においてとても重要な手がかりとなります。・・・

参考
2020年11月16日~12月13日における
Google Cloud AIの予測 新規感染者数 50,367人 死者数543人
実際の数値 新規感染者 61,082人 死者数598人

Google Cloud AIによると
2020年12月20日から2021年1月16日間の新規死者数は2042人、新規感染者は101,627人と予測
2020年12月21日から2021年1月17日間の新規死者数は1121人、新規感染者は 77,475人と予測
クリスマス、年末年始を挟むことで予測がブレル。




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