Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

2020年07月

銅(価格)は世界経済を反映する。
銀は、投機だ。
金は金融状況を反映する。
足許ではみんな上昇している。
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中国経済の回復が強く、銅価格が伸びている。

米国では、新コロ感染拡大で景気の先行き不安が大きく、強気金融緩和が持続している。
若干やりすぎ気味かもしれない。これを受けて金価格が上昇している。

銅も金も上がれば、銀は悪乗り。

長期的に見れば、
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銅はまだまだ低水準。
金は、史上最高値に近づいている。
超金融緩和だということだ。おかげで、株価も不当(業績に照らしあわせて)に上昇している。
金と株はバブルのような気がする。
すぐにははじけなさそうだが、その後はどうなるものやら?

6月の貿易統計が発表になった。日経は長々解説しているが、コロナ禍でのデータだ。深く考えてもしようがない。
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日本の貿易統計の2大項目(自動車、燃料)を見ると、自動車の輸出は前年比で低いレベルにある一方、原油価格の下落で鉱物性燃料の輸入も減少しており、貿易収支は全体として僅かなマイナスである。
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(1)自動車の輸出前年比減はコロナ禍でのことであり、気にする必要はないだろう。
(2)僅かな貿易赤字は特に問題ない。なにしろ、日本は投資収益が大きく、経常黒字の構図に変化はないだろう。(国際収支参考、来月11日発表)
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このブログでは、個別銘柄の話はしないつもりだが、どういうわけか、たまたま取り上げた「どうしたの?東急」へのアクセスが(2番目に)多いので、続編を書く。
要は、東急は鉄道株から不動産株になったように見えるということだ。
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新コロショックまでは、小田急との株価連動性が高かったが、新コロショック以降は、三菱地所との株価連動性が高まっている。
東急と小田急のセグメント情報を見ると、
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東急は2019年秋の商号変更(東急電鉄→東急)および鉄道事業の分社化により、投資家の東急を見る目が変わったかもしれない。

米国6月の小売売上高の回復が凄まじい。
自粛生活で旅行や外食ができなくなり、ストレスをためていた人が、 移動制限や都市封鎖が解除されたことで、溜まっていた消費意欲が一気に爆発したのだろう。ペントアップディマンドというが、むしろリベンジ消費だ。GDPの個人消費算出に使われるコア小売売上高は、6月に前年同月比で+6.3%になった。
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一方で、鉱工業生産の回復は鈍い。
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鉱工業生産と小売売上高から推計される、4-6月期GDP増加率は、前期比年率で▲14%程度である。但し、6月の3か月前比年率は▲3.3%まで回復している。
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中国経済成長のトレンドは、徐々に弱くなってきていることは確かだろう。それはそうとして、
今年1-3月期のGDPは大きく落ち込んだ(前年比大幅マイナス)が、4-6月期には実質で前年比+3.2%まで回復した。
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但し、小売売上高などはそこまで回復していない。
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中国の経済データをどこまで信用していいものやらわからないが、一つ信用しているものがある。貿易統計である。相手があるので、検証できるからだ。
その貿易統計では、今回は、相手国の経済が急収縮しているにもかからず、輸出入の落ち込みが小さい。リーマンショックや逆オイルショックの時ほど落ち込みがない。不思議と言えば不思議だが、こちらの統計の方が信用できる。それだけ、相手国の必需品を輸出しているのだろう。マスクなどの輸出も急増しているようだ。輸入も大きな落ち込みがないので、相手国としては中国は輸出先として重要だろう。これが中国の世界における重要さの要である。
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