スイス中銀は6月16日、予想外の利上げを行った。
Swiss National Bank (SNB) - Current interest rates and exchange rates
中央銀行 政策金利 - Investing.comからSNBを選択
政策金利を0.5%上げー0.25%とした。インフレが抑制不能になることを懸念し、2007年9月以来15年ぶりに利上げに踏み切った。
ジョルダン総裁は記者会見で「本日利上げしなければインフレ見通しは大幅に上昇する」との見方を示した。5月に約14年ぶりの高い物価上昇率を記録したことを受けたもの。
さらに、「近い将来に政策金利のさらなる引き上げが必要になる可能性がある」と述べた。
また、「現在の環境では、物価上昇が最近までの事例よりも早く伝わり、また受け入れられやすくなっている」と指摘。「インフレ率が2%を超える状態が長く続くと、2次的効果が定着する恐れがある」とし「インフレの進行を考慮しないのは怠慢だ」と述べた
スイス中銀は今年と2023、24両年のインフレ率見通しを2.8%と1.9%、1.6%とし、3月時点予想のそれぞれ2.1%と0.9%、0.9%から上方修正した。
また、「現在の状況には為替レート動向を含め多大な不確実性がある」とした上で、「スイス・フランが過度に上昇するならば外貨を買う準備があるし、下落する場合は外貨売りも検討する」と述べた。(為替介入すると公言している。黒田さんは羨ましいだろう)
スイス中銀が07年来の利上げ、政策金利マイナス0.25%に-予想外 - Bloomberg
スイス中銀が15年ぶり利上げ 政策金利マイナス0.25%に: 日本経済新聞

決定を受けてスイスフランは急伸した。
あすに日銀決定会合の結果発表を控え、円も円売りポジションの巻き戻しが起きている。
また、スイス中銀が予想外の利上げに踏み切ったことで、何が起きるかわからないと、世界的にリスクオフ(ポジションをとらない。ポジションの中立化。)になっている

コア(生鮮食品とエネルギーを除く)物価指数前年同期月比上昇率は5月で1.7%。
もうちょっと様子を見れないこともない状態。
20220617a

対ユーロでは為替は堅調。通貨安を懸念する必要もない。どころか、堅調気味だ。
通貨防衛のための利上げではない。
20220617c
20220617d

それでも利上げした。
日銀はどうするか。今回はともかく、次回は利上げに追い込まれると思う。
円安対策ということではなく、需要抑制の為でもなく(本来は、需要喚起したいところ)、とにかく、インフレに対応しているというジェスチュアの為である。
世界の利上げの嵐の中で、ガラパゴス状態にはなれないだろう。
20220617b