その前に、銀行、損保などが来週に残っているが、2021年度の決算発表が終わりに近づいた。
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曲者はソフトバンクグループ <9984> だ。今日15時に発表があった。
22年3月期の連結最終損益は1兆7080億円の赤字(前の期は4兆9879億円の黒字)に転落した。
23年3月期の業績見通しについては開示しなかった。
SBGは前々期+4.99兆円から前期▲1.70兆円と、6.69兆円も当期利益が減少。TOPIXの当期利益の合計は50兆円程度?だと思うが、1社でこんなにブラされたら、TOPIXのepsは何なのだろうと思う。
これがトヨタなら、日本の代表企業として受け入れられるが、SBGじゃなぁ~。

さて、本題の国際収支。今日、3月データ(速報)が発表になった。
経常収支は2兆5493億円の黒字だった。
直接投資収益が、23,702億円と前年同月の14,804億円から8,898億円も増えた。
参照 報道発表資料(発表日別) : 財務省の令和4年3月分 総括表等
証券投資収支も債券利子収入は前年同月比で多少減ったが、配当収入が良好で、所得収支も良好となった。
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今、各社の昨年度業績発表が行われているが、SBGなど一部を除くと、グローバル企業の業績は良好である。それだけの収益を配当金として3月に海外現法から受け取っている。
最近、日本企業の株価がやや踏ん張っていた理由もこの辺にあろう。
但し、昨年度の業績は予想以上に良好だったが、今期見通しはそれほど明るくない。
2月決算の安川電機の業績発表時は、今期業績見通しも良好だったが、今はやや悲観的である。TOPIXのepsは今期減益の可能性もある。持ちこたえていた株価も怪しくなる。

話は、国際収支に戻って、
経常収支は良好である。
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にも拘わらず、3月から円安が進んだ。どういうことだろう?
国際収支全体を見てみる。
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円を売ったのは(日本からの資金流出は)、日本居住者でなく、海外投資家の日本株、日本債券、その他(大部分は日本の短期債)売りだ。
3月の海外投資家の日本株、日本債券(短期債含む)の売り越し額は8.8兆円と、2020年3月の新コロショック時の次に大きい。
じゃぁ、何故海外投資家はこんなに売ったのか?世界的インフレが要因だろう。
つまり、日銀が利上げすると懸念したのではないだろうか?
日銀が利上げすれば大事件である。欧米の比ではない。

ここにきて、日銀の利上げ観測はしぼんでいる。
となると、彼らも急いで日本から資金を抜くことはないだろう。
急速な円安は終わったのではないか?