「空気感染」から身を守る方法 | 東洋経済オンライン

新型コロナの感染
接触感染はまれ。(アルコール消毒の効果は薄い)
空気感染が主な感染経路。
空気感染とは、“空中を浮遊するエアロゾル(空気中に浮遊する固体や液体の粒子)を通して感染が広がる”という意味。

空気感染対策
(1)ずっと窓を開け続ける「常時換気」。
30分に1回窓を開けるなどのいわゆる「こまめな換気」は×。なぜなら、窓を閉めている間は気流が生まれず、空気のたまり場ができてしまうから。
寒い季節では、開けるのは必要な窓だけにとどめ、開ける幅は5~10センチで十分。但し、空気が部屋をくまなく流れるために、対面の窓を1カ所ずつ開けるのが望ましい。
マンションなどでは各部屋についている丸や四角の換気口(通気口)をつねに開けておくことで、換気の効果が高まる。

<レンジフード(換気扇)の利用>
室内の空気を吸い込んで外に排出するので、室内が陰圧になり、開けた窓や換気口からは新鮮な空気が入り、空気の通り道を作ってくれる。
トイレや風呂場の換気扇も常時、回しておいたほうがいい。

ガスファンヒーターは窓の近くに設置する。そうすると冷たい外気が暖房で暖まって部屋に入るので、室温を大きく下げることはないそうだ。

「熱交換器型換気機器(熱交換器)の設置も有効。エアコンのようにあとからでも取り付けることができる。
本体だけでなく工賃もかかりますが、取り入れる外気を室温に近い温度にできるので省エネになります。

(2)空気清浄機
窓が1カ所しかない部屋や、奥まっている場所など、そのままでは空気が流れない場所の対策には有用。
空気清浄機を置くことで、空気のたまり場をなくすことができます。
常時開放した入り口のドア付近に空気清浄機を置いている店を見かけますが、開けてある入り口から入ってくるのは新鮮な空気です。ウイルス対策としては意味がありません。

空気清浄機は、高性能の製品を選ぶ必要はない。あくまでも空気をろ過することが目的。
フィルターは粗塵用フィルター、中性能フィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルターに分けられる。ULPAフィルターがいちばん性能が高い。
市販されているほとんどの空気清浄機に用いられているのが、HEPAフィルターだ。かなりのエアロゾルをキャッチしてくれる。
ただ目が細かい分、一定の空気抵抗があるため、ある程度の大きさのモーターがついていないと、十分な風量を確保できない。風量が小さければろ過できる空気の量は少なくなるので、空気清浄機は大型で空気をどんどん吸い込むものがいい。
<メンテナンス>
アルコールを噴霧するのはNG
ホコリなどでフィルターが根詰まりを起こせば、空気はろ過されない。掃除はまめに行い、その際はフィルターにウイルスが付着しているという前提に立ち、十分な換気のもと、マスクや手袋することが重要だ。
メンテナンスの際、除菌や消毒のためとアルコールを噴霧する人もいるかもしれないが、「それは絶対やっちゃダメ」と忠告するのは柳さんだ。
「実は、多くの空気清浄機に取り付けられているHEPAフィルターは、正確には“静電気HEPAフィルター”というもので、中性能フィルターに荷電し、静電気の力でHEPAにまで性能を上げています。アルコールを噴霧すると除電されてしまうので、性能は落ちます」

空気感染対策の考え方
仕事や食事をする際は、できるだけ外から空気が入ってくる席を選ぶ。
屋外でも空気の溜まりそうな場所は、感染リスクがあると思って注意する。

不織布マスクも重要。すき間なく装着すれば、エアロゾルが入り込むのを予防できます。