Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

日本では、TOPIX(又は日経平均)のEPSを集計・算出して、一般に公表しているのは日経だけだ。
・東証は、実績を集計しているが、発表が遅く、後で確認のために見るだけだ。昨年度(2020年3月期)のデータもまだ発表になっていない。
・購読ということであれば、IBES、Factset、Bloombergも集計している。証券会社も独自に集計している。東洋経済の個別企業データは有名だが、TOPIXベースのEPSは算出していないと思う。
・米国ではS&P社、IBES社、FactSet社がネットで公表している。Bloomberg社も集計しているが購読ベース(Professional)だけである。

EPSはまとめていないが、上場全企業の業績はQUICK社が集計・公表している。
QUICK Forecast企業業績(QUICK Money World)
6/16時点のデータを見ると、今年度の全産業の売上高は前年度比▲5.4%、経常利利益は同▲5.1、当期利益は同▲0.3%となっている。
昨年度は減損が大きかったので、当期利益は僅かnのマイナスになるということだろうか?
しかし、そんなことが信じられようか。当たり前だが、ここのデータを今後見続けていくと、けっこう違っていく。やはり、自分自身なりに、しっかり予想することが重要だ。

やはり、EPSは算出していないが、TOPIX企業の合計の業績を東洋経済は発表している。四季報によれば、純利益の前年比は昨年度が▲30.1%、今年度予想が▲13.3%、来年度予想が+38.8%である。

私の推計・予想は、
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さて、業績予想(向こう1年間)と株価の関係を見てみると、最近ではありえない乖離が起きている。
もちろん、株価は足許の業績で決まるわけではない。長期的なキャッシュフローの現在価値になるのが妥当だから、足許の業績とは乖離してもおかしくはない。
しかし、おかしくはないが、おかしいと思ってしまう。
いつのときも相場が正しいのだが、変だと思えば、やっぱり変だったということもある。
1987年のブラックマンデーの時もそうだった。4月頃からおかしいおかしと思っていたが、そういう状態が続くので、8月には理由をこじつけて「おかしくない」ということにした。そうしたら、10月に大暴落が起きた。
禅問答のようになってしまった。
いったいこれを、どう解釈して、今後の株価予想をすればいいのか?
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東急(株)(9005)が弱い。業績見通しが不振なのでやむを得ないかもしれないが、同様の状態の小田急は堅調だ。
2015年以降、東急と小田急電鉄(株)(9007)は似たような動きをしてきた。
しかし、ここにきて両者の動きは股裂きのようだ。
たぶん、特定の株主(たぶん、海外投資家)が保有を外しているのだと思うが、何を思ったのだろう?
9005--9007

相対株価(東急株価/小田急株価)で見ても明白だ。
小田急売り(信用売り)、東急買いをしたくなるが、どうだろう?
9005-9007

もっとも有名な情報サイトは、
(1)予想サイトの「プレディクト・イット  (日本からアクセス不可)    (Wiki)」と
(2)オッズ情報サイトの「オッズ・ウオッチ
 Odds Watch は、世界最大のオンライン賭博取引所Betfairのデータをもとにしている。<br>
(1)のPredictItは、日本からのアクセスは禁じられているようだ。なので、どうしても見たければ、海外の友人に頼むか、IPアドレスの偽装をすることになる。IPアドレスの偽装は難しいことではない(GoogleChromeにはIP偽装プラグインが用意されている)。
ということで、(2)の方を見る。
バイデンで決まりという雰囲気だ。
私もそう思っているが、前回の「まさか」があるので、決め込むことはしないでおこう。

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