Kecofinの投資情報

市場歴約40年の元証券投資ストラテジスト・ファンドマネージャーが、経済、市況分析情報を提供します。

株価が企業収益と連動するなら、今の株価は大きく下落していいはずだ。
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ストラテジストにとって最も重要な経済指標の一つはISM製造業景況感指数だ。
ISM製造業景況感指数は企業収益と連動しているからである。
ISM製造業景況感指数が概ね50.5を超えると、企業収益は増加する傾向がある。下回ると減益だ。
なので、(ISM製造業景況感指数-50.5)を累積していくと企業収益動向と連動する傾向が見られる。
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これからすると、ISM製造業景況感指数は大きく落ち込むはずだ。
しかし、そうはなっていない。6月のデータに至っては、52.6になった。こういうデータが続くと(ISM製造業景況感指数-50.5)の累積はどんどん右肩上がりになっていく。

どうやら、株式相場は景況感の方を反映しやすいようだ。
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となると、今後の株価の動向は、ISM製造業景況感指数を注目することとなる。

ISM製造業景況感指数の先行指数には、いくつかある。ニューヨーク連銀製造業景気指数やフィラデルフィア連銀製造業景況指数などである。こうした指数に注意していきたい。

参考
日経記事 日本企業の株保有比率、日銀の伸びが最大

以下のデータの出所は日銀資金循環統計
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(単位は兆円)

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6月のISM指数が急回復した。既に発表になっているニューヨーク連銀製造業景気指数やフィラデルフィア連銀製造業景況指数は急回復を示していたので、驚きはない。
今回発表になった値は52.6%。実質GDP成長率で1.7%に相当する。
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このままの回復が続けば、Fedは金融緩和の方向転換も考えるだろうが、何といったって、Fedの目標は雇用の最大化である。雇用市場はまだまだひどい状態だ。次のグラフに収まりきらないほど、雇用は落ち込んでいる。
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というわけで、景気回復が起きているなかでも超金融緩和が続きそうだ。
但し、さらなる金融緩和も、今のところはなさそうだ。

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