VIX指数について書いてみる。
VIX指数とは何ぞやということは詳しくは書かないが、
VIX指数とはS&P500指数のオプション取引値から算出され、今後30日間のS&P 500の予想変動率を示す指数である。

私に言わせれば、VIX指数は株価変動を直ちに映す鏡である。なので、VIX指数から相場の先行きを予想するということは難しい。

株価は企業価値を反映するので、価値が高まればそれに従って上昇を続けることがある。しかし、VIX指数は株価変動率を示すので上昇トレンドが起きることはない。従って、両者を直接比較することは適当でない。

但し、相場が横ばいの時は、直接比較できるだろう。次のとおりである。
20201002a
20201002b
これで、『VIX指数は株価変動を直ちに映す鏡』ということがわかってもらえたと思う。

相場のトレンドを定常化する(トレンドを波にする)ために、相場の上昇率を考える。上昇率なら、無限に上がっていくことはない。
株価の上昇率とVIX指数を比べたのが次の図である。
20201002c

新型コロナウィルス感染拡大が起きた時から、両者の動きは乖離している。
VIX指数が大きいにもかかわらず、株価は上昇している。
(1)背景にはナスダックのクジラやロビンフッター(投資アプリ「Robinhood」の利用者)のオプション利用があるといわれる。つまり、オプション料が妥当かどうかなど無視して、株高を信じて買っている(超ハイレバレッジの株買いということになる)。
(2)債券利回りが殆どなくなって、企業業績に対して株価が異常に割高になった。投資家は、この業績に対する株価の割高が金融状況から支えられるのか、それとも、何かのきっかけで調整されるのか迷っていることを反映している。

VIX指数は、株価変動の鏡であるが、投資家心理の鏡でもある。
魔法使いでなければ、鏡を見て相場の予想はできない。