中国パワーの源泉は金(カネ)である。
対米貿易黒字で稼いだ金で、各国からの輸入を増やし、アフリカなどの新興国やフィジーなどに金を貸したり、インフラ投資をして影響力を高めたのである。
オーストラリアなどは狙い撃ちにされた感がある。
対中輸出を増やして景気を支えている国は中国無しでは立ちいかなくなっている感もある。

米国の貿易統計を見るとよくわかる。中国に大きな資金を提供している。
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昨年から米国の対中貿易赤字は減少しつつあるが、依然極めて大きく、毎月、米国から中国にそれだけの資金が流れていっている。米国の対中貿易収支が黒字にならなければ、米国は中国に資金を渡すことになる。

かつて、米国は日本との貿易赤字がGDP比1.2%になったことがある。このとき、米国は何をしたか。プラザ合意である。日本は急速に進行した円高で輸出が減少し、景気は低迷した。企業の海外移転も進んで、国内の空洞化が起きた。金利低下により不動産バブルが形成され、その後失われた30年になる。
しかし、米国の対中貿易赤字がそのレベル(1.2%)をはるかに超えても、米国は何の措置もとらなかった。
中国が米国で稼いだ資金で各国を牛耳り始め横暴を始め、ようやく米国は動き出した。
しかし、政府は動いても、米国企業(特に多国籍企業)の動きは鈍い。中国が企業の行動に組み込まれているからだし、大きな消費市場であるからだ。中国はそのことを知っている。
中国パワーは大きくなるばかりだ。
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